国民年金、「100年は大丈夫」って何が大丈夫?

国民年金、「100年は大丈夫」って何が大丈夫?

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、9月4日の放送に経済評論家の佐藤治彦が出演。国民年金をめぐる問題を解説した。

鈴木敏夫(文化放送解説委員)「老後30年間で2000万円が必要、と金融庁の審議会が報告して衝撃を与えたのが5年前なんですよね。5年に1度の財政検証なるものが今年7月に行われました。過去30年と同じような経済状況が続いた場合、現役世代の収入と比べた年金額の給付水準、33年後には50.4%、2割低下する見通しという試算が示されています。『100年安心』だったはずの年金、どうなっているんでしょうか」

長野智子「『100年安心』と言ったのは坂口力厚生労働大臣(当時)ですよね。2004年だから20年前だ。X(実況ポスト)に『株価はいい。国民年金の話を聴きたい』と」

鈴木「株は買わなければいい話ですけど、年金はそうでもありませんからね」

佐藤治彦「じつはそうもいかないんです。なぜかというと年金財政の多くの部分が株に投資をしていまして。株が下がると我々がもらう年金の原資にもかかわってくるんですよ」

長野「あ~、はい……」

佐藤「数年前まで、年金で何兆円赤字を出した、って毎回、新聞の一面になっていたじゃないですか。いまメチャクチャ大儲けですよ。大儲けのときには新聞に載らない。株価は上がるとまず年金に関係してくる。それから多くの方が入っている民間の生命保険。これも株で運用していますから、配当金やそういうものに関わってくる。だから誰もが関係あります」

長野「そうですね」

佐藤「だから私の本を読みましょう、とは言いません(笑)」

長野「それで厚労省は『大丈夫だ』と言っているんですか?」

佐藤「大丈夫なのは私に言わせると、我々の生活が大丈夫なのではなく、厚労省の年金というシステムが壊れない、という意味合いで『大丈夫』なのだとしか思えません」

鈴木「マクロ経済スライドという……」

佐藤「それもそうです。たとえば人口や物価、賃金の上昇によって年金を減らすことができる。そういうシステムなんですね。いままで4回ぐらいしか発動されていないんです。なぜかというと物価も賃金も上がらない。上がったときだけ発動されるんですよ」

長野「ああ……」

佐藤「賃金が上がっている、物価が上がっている、マクロ経済スライド発令……って。いや我々にとると年金、実質目減りされしまうことがたいへん困る。そういう経済状況になってきている、ということですね」

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