大坂なおみ選手の今後について ~「くにまるジャパン極 スポーツ情熱列島」
「凄いサーブを打つ選手が出てきたので今後楽しみ」と、少女時代の大坂なおみ選手をこの番組で紹介して下さっていたITWA国際テニスライター神仁司(こうひとし)さん。
大坂なおみ選手を現場で長く取材されている神さんが、今回の大坂選手について6月8日「くにまるジャパン極」内の「スポーツ情熱列島」(12時07分過ぎから)で語りました。
「2020年USオープンでの黒人人種差別抗議活動含めて今まで思慮深い言動が出来ていたのに、彼女らしくない行動に疑問を持ち、珍しく大坂さんにしては性急であり、過激で正直驚かされ、まるで別人のようで理解出来ませんでした。」
「自分も現場で取材をしている一人として誤解が生まれないように話しをさせて頂くと、(私も含めて)長年追いかけている日本、及び海外メディアは、選手との信頼関係に基づいて、勝ちも負けも平等に扱う取材をしてきていると思います。ただ全仏ならパリ、ウインブルドンならロンドンの地元ゴシップ祇メディアも取材に来ています。負けた時に特にデリカシーに欠ける質問は正直あります。あと普段追いかけていない日本の一部メディアがピンぼけな質問をされているのも見受けられてるのは事実です。」
「それと、彼女自身のSNSコメント内の『depression』を『うつ病』と訳したのは早合点(※下記参照)。症状が正確にわからないのに、訳した方は慎重に言葉を選ぶべきだった。彼女のマイナスイメージになってしまったかも。正直、私もうつのような症状になっていることは知らなかったので、打ち明けたことにも正直驚かされました。」
「彼女は幸いにも英語が堪能なので、海外メディアからの質問の受け答えにも大きな問題は無かったと思っています。ただもともと物静かな女の子で、自分からしゃべる子ではなかったので、記者会見での対応は大変だったんだろうなあと、今思えば感じます。ここ2,3年でグランドスラムで優勝したり、世界1位になったりで世界のトップに上り詰めて彼女は世界的有名選手になりました。その変化に対応するのは大変だったと思います。もともと会見での記者対応はよくやっているなと思っていましたが、無理していた部分があったのかなと思うと、今はやるせない気持ちです。」
「彼女は現代の女の子って感じ。TwitterやInstagramなどSNSを駆使し、自らを発信しています。今の彼女は、影響力が大きい世界的インフルエンサーの立場。自分が言動(発信)することによって、周りが影響を及ぼされるということをもう少し考えるべきかも。それと彼女はIMGというスポーツエージェントに所属しているので、症状のことも含めてエージェントがうまく対処できなかったのかなと残念な思いはあります。」
「男子テニスランキング1位のジョコビッチ選手でも、会見でつらい質問を受けて自分から早々に会見を切り上げて脱出する場面も正直ありました。トップ選手ならではの注目度から、メディアからのデリカシーのない質問を受けた経験があるから大坂選手をおもんばかってジョコビッチ選手が発言をされたと思います。難しいところですが、負けた時の選手は特に辛いと思うけど、メディア側も負けた選手を取材するのは正直に言えば厳しいです。でもそれはプロスポーツのなかで、お互いプロ選手とメディアとしてリスペクトしながら取材が行われていると信じての事。でも時にデリカシーに欠ける質問が全くないわけではない。今後はそこを改めるべきことだと思うし、選手、メディア、大会側を含めて話し合いをしながら改善できれば良いのではないかと思います。」
「当初大坂さんはTwitterで『メディアとの今までの関係性については感謝している。選手とメディアの関係性を否定しているわけではない』と、あらかじめ断っていたんだけど、ちょっといろんな意見が飛び交い、メディア自体が悪だとか記者会見が古臭いとか、すごい極論がたくさん出てきました。そこは違うんじゃないのかなと思っています。」
「今後ですが、まずはゆっくり休んで頂いて回復を願いつつ、テニスコート上で元気なプレーを見せて欲しい。ただ治療に当たってはドクター、カウンセラー、メンタルコーチをチームに招いて継続的に大阪さんを見守る体制を気づくべき。まだ23歳。彼女のキャリアはまだまだ長く続くので。戻って来る時はみんないろいろ聞きたがる大変かもしれないけど、そこはまた乗り越えて欲しいと思っています。」
<参考: Weblio英和辞典より>
depressionの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
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