自民党総裁選は「でたらめ」「嫌われたら勝てない」「終わっている」選挙?
大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日13時~15時30分)、8月28日の放送にネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』主宰・ジャーナリストの神保哲生が出演。自民党総裁選挙を報じるメディアの姿にコメントした。
大竹まこと「私たち市民は党員でもないし、国会議員でもない。どちらかというと外側なわけです。だけどメディアは連日のように、たくさん出てきた候補者の誰になるのか、ということを一生懸命、報道しています。どういうふうにご覧になっていますか?」
神保哲生「政治報道が日本の政治や日本を悪くしている、と、ここに呼ばれたときいつも言っています。その典型例ですね。競馬予想みたいに人の顔写真をつけて誰が有利、不利、誰が誰を推した、そういう政局的なことを延々と続けるわけです」
大竹「はい」
神保「アメリカと対照的なのは、アメリカはカマラ・ハリスさんが選ばれるか、トランプさんが選ばれるかによって政策も劇的に変わるわけですよ。それぞれの人が自分の立場上、利害関係が大きく左右されるんです。今回は代わり映えしない、という問題もさることながら、誰がなったらどうなる、という論点を報道しない」
大竹「そうですね……」
神保「実際には同じ自民党内でも、たとえば夫婦別姓問題に対しても候補によって考え方が違う。女性天皇、女系天皇についても。何より今回の政治とカネの問題、裏金議員の処遇をどうするのか。候補者によって差異はあるけど、政治メディアがそこを追求しない。候補のほうも、そこで敵をつくりたくない。そもそも総裁選自体が、私から見るとでたらめな選挙なんです」
大竹「はい」
神保「1回目の投票で党員と議員が同じだけの票数、367票ずつ持っているんですけど、候補者がたくさん出ると、過半数を誰もとれないと決選投票になると決まっているんです。(既に)これだけ手を挙げている以上、どう見ても1回目で過半数をとる人は出ない。必ず決選投票になる。決選投票は議員票が1回目と同じ367票あるんですけど、党員票が突然、47票。各都道府県に1票に減ってしまうんですよ」
大竹「そうだ……」
神保「事実上、1回目の投票って1位、2位を決めるための予備選挙みたいなもので。じつは本選が2回目なんですね」
大竹「なるほど」
神保「本選は誰が決めているかというと。全部で400票と少しで議員が370ぐらいだから、議員に嫌われることを言ったら勝てないんですよ。自民党の選挙は」
大竹「(党員票は)47票だから、1都道府県1票?」
神保「1票。それも何が根拠なのかまったく……。言っていますよ、また何かやらなきゃいけなくなると全国だから大変、とか。そんなことはどうにでもなりますよ。私から見れば結局、ある種、国会議員の利害がちゃんと反映される総裁が選ばれる仕組みをわざわざつくっている。そんなものを見せられて、その話をせずに誰が勝つ、勝たない。菅さんが誰についた、麻生さんが誰についた……。報道も含めて終わっている、ということです」
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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