覚えるためには寝た方がいい? 『脳は眠り大進化する』著者に聞く新常識とは?
お笑い芸人の大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜13:00~15:30) が8月23日に放送され、文春新書から発売中の『脳は眠り大進化する』を著した、東京大学大学院医学系研究科教授の生命科学者、上田泰己氏がリモートで出演。金曜パートナーの壇蜜とともに、本の内容について伺った。
大竹「今回のご本、『脳は眠り大進化する』で先生は、睡眠の新常識をお話になってますね」
壇蜜「大進化っていうのはどういうことなんでしょうか?」
上田「毎晩の休息と言われていた睡眠が、もう少し大胆に活動的なことをやってるということが最近分かってきまして、その最近の進展を本にまとめさせて頂いたという背景になります。みなさんの脳が毎晩少しずつ生まれ変わっているということです」
大竹「年を取ってからも変わらないんですか?」
上田「少しずつ弱くはなっているんですけれども、基本的なところは変わらない、というふうに考えています」
壇蜜「年を取ったら眠りの質が悪くなるとか眠りにくくなる、みたいなことが、ちょっと覆るってことですか?」
上田「だんだん弱くはなっているので、そのこと自体は覆らないんですけれども、今までは睡眠が陰と陽でいうと、日陰のような存在だったところが、むしろ積極的な『陽』のような、『太陽』のような、そういう存在だということが分かってきたということです」
壇蜜「希望が出てきたっていうことですね。ちょっと嬉しいなあ」
大竹「眠りにはレム睡眠とノンレム睡眠っていうのがあるってことぐらいは私たちは知ってるんですね」
壇蜜「習いました、学校で」
上田「夢を見がちな睡眠として知られているレム睡眠と、非常に深い睡眠として知られているノンレム睡眠というのがあって、今までは、皆さんの記憶とかを持ってると言われている細胞と細胞の繋がりが、深い睡眠の時に間引かれていく、だんだんなくなると言われていたんですが、むしろ逆で、だんだん作られていく…」
壇蜜「深い睡眠で作られていく?」
上田「そうですね。深い睡眠の時に、学習にとても重要なシナプスの繋がりが作られていて、むしろレム睡眠の時に、間引かれているということが分かってきたんですね」
壇蜜「じゃあもっと深く眠る必要があるっていうことですね」
上田「理論上は、睡眠時間を削って起きてるよりも、むしろ寝た方が覚えるには非常に良い、みたいな事がだいぶ分かってきました。日本人は世界の中でも一番寝られてないと言われていますが」
壇蜜「御本にもありました。日本人は眠らなすぎだって」
上田「世界から比べると1時間ほど眠れていないんですけれども、今後いろんなことを考えていくと、よく寝た方がいいのではないかということが、科学的にもだいぶ見えてきたというところです」
壇蜜「でも社会が寝かせてくれないんですよ」
上田「ただ認知が変わっていくと、社会も少しずつ変わっていくので、いかに新しいことを作り出すためには眠ることが重要かと言うところが分かってくると、社会そのものも少し変えられていく可能性があるので、そういった提言も少ししているという形ですね」
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