「岸田総理、突然の不出馬表明の舞台裏」
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その日に起こった最新の話題を中心に、幅広い分野にわたってニュースを紹介しています。昭和34年の放送開始以来、全国のラジオ局の強力なバックアップで、特派記者のレポート、取材現場からの中継など、今日最も重要なニュースを的確に把握し最新情報を伝え続けています。
文化放送報道記者として国会、官邸を担当し、日夜取材活動で活躍する山本香記者が放送でお伝え出来なかった話題を取材後記としてお届けします。
8月14日、岸田総理が突然、自民党総裁選挙への不出馬を表明。永田町に衝撃が走った。
しかし、この不出馬表明については、霞が関や永田町のごく一部ですでにささやかれていた。
その情報が入ったのは7月末。「岸田総理が8月15日に総裁選不出馬を表明する」というもので、政府主催の戦没者追悼式が終わった後というものだった。まさか祈りにつつまれる終戦記念日に大政局が起きるようなことはしないだろうと高をくくっていたが、15日を過ぎると誰が出馬表明してもおかしくない状況に突入する。仮に誰かが出馬表明をした後に不出馬を宣言したら、「勝ち目がないから諦めたのだろう」という憶測を呼んでしまう。それを避けるためにもリミットは15日だったという。
実際には、14日の不出馬表明となったのだが、1日前倒しとなった背景には、通常金曜日に行われている閣議が1日繰り上げになったことで、15日に開かれる閣議後会見で、午前中に出馬表明をする大臣が出てくる可能性があること。また14日夜には訪台していた石破茂元幹事長が帰国。さらには麻生副総裁と茂木幹事長の会食が14日夕方からセットされたこともあり、15日の不出馬表明では間に合わないと判断したのだろう。
裏付けるように、石破元幹事長は帰国後の14日夜、高市早苗経済安全担当大臣や斎藤健経済産業大臣、河野太郎デジタル担当大臣は次々と出馬への意欲を表明した。
自らの手で派閥を解体し、派閥の領袖という力を失った岸田総理。不出馬という選択は苦渋の決断だったのかもしれない。しかし自民党内からは「引き際を間違えず、総裁選後も一定の影響力を残すことに成功した」と評価する声もある。
不出馬表明から一夜明けた15日朝、官邸入りする岸田総理の足取りはいつもより軽やかで、顔には微笑みが浮かんでいた。
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