岸田文雄首相、自民党総裁選不出馬を表明 藤井氏「出る気だったんでしょうけど、ただ……」
8月15日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、岸田文雄首相の退陣に関するニュースについて意見を交わした。
藤井氏「麻生さん、菅さんの賛同を得られなかったんでしょうね」
岸田文雄首相(自民党総裁)は14日、9月の自民党総裁選への不出馬を表明した。党派閥の政治資金問題などによる政治不信を払拭できず、内閣支持率は低迷していた。次期衆院選を見据え、党内から首相交代論が出る状況で総裁再選は難しいと判断した。
9月末の総裁任期の満了に合わせ退陣する。岸田首相は会見で「新生・自民党を国民の前にしっかり示すことが必要だ。自民党が変わることを示す最初の一歩は私が身を引くことだ」と述べた。
政治資金問題について「組織の長として責任をとることに、いささかのちゅうちょもない」と話し、不出馬表明によって「けじめをつけ、総裁選に向かっていきたい」と強調した。
寺島アナ「岸田総理が総裁選不出馬を表明しましたが、藤井さん、これはどう受け止めましたか?」
藤井氏「これは要するに、直前まで岸田さんは(総裁選に)出るということをずっと主張していて、秋には政策を発表するということを主張していたということで、まぁ出る気だったんでしょうね。
ただ、いわば党内での支持がどうも拡大しなかったと。で、このままでは総裁選も怪しいし、仮に勝ったとしても、衆議院選挙を危ぶむ声も大きくて、自分が辞めることでしか党は守れないと。だからそれが周りに言われて、ありていに言うと、麻生さん、菅さんの賛同を得られなかったということでしょうね。
国民を方法論的個人主義じゃなくて、方法論的集団主義って言って、世論全体を一人の人間と考えて世論分析をしたりとかすることが社会科学でありますけども、国民っていうのは一人の人格がある実態だと考えると、国民は『岸田やめろよ』ということをもう半年以上も言い続けていたわけですよ。
で、支持率が20%前後で、なんか数パーセント上がったりとか下がったりとかで。これは麻生太郎さんが総裁の時にゲアした時以上に嫌われているとも言えるような状況にあって。これまで政権交代、何度か自民党は明け渡してしまってるところはありますけど、それと同じような支持率で、だから相当やばい状況なわけです。
ただ、世論は『立憲かぁ……』とか『国民も維新もちょっとなぁ……』とはなってるけど、立憲が好ましいことを言うと『立憲でもええっか』みたいになる可能性が岸田さんだったらあったわけで、それを自民党は恐れたんですよね」
寺島アナ「あー、危機を感じた?」
藤井氏「うん。だから結局、自民党の中で世論の声を聞いた長老たちが『ちょっと辞めなさいよ』ってなって、辞めることになったんだろうなっていう状況だと思いますね」
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