億ション続々も日本の住宅「割安」 日本人の新築住宅への偏愛
8月13日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、東京23区の1億円を超えるマンションついて意見を交わした。
中古住宅を買うときの税制優遇でもしたらどうですか?
東京都心のマンションの平均価格が1億円を超える日本の住宅価格。しかし国際比較すると景色は様変わりし、「割安」といえる水準だ。
経済協力開発機構(OECD)によると、収入と比べた住宅価格で日本は平均を下回る。新築偏重で中古市場が活性化せず、地方を含め空き家が増加。全国的に住宅がだぶついており、価格は国際的に取り残されている状況だ。
不動産経済研究所によると、2023年度の東京23区の新築マンションの平均価格は1億円を超えた。
(寺島アナ)「新築マンションが一億。でもこれは海外と比べると安いんですか?」
(田中氏)「そうでしょうね。例えばアメリカのニューヨーク、マンハッタン周辺のマンションは1億円で済むわけがないですからね。そういう所と比べたら確かに割安かもしれませんね。今から20数年前『内外価格差』といって“日本の物が割高であるから価格を下げろ”と言っていた人たちがいるんですよ。それがデフレ経済の背景にもなりましたけど、“内外価格差だから割安経済の方がいい!”と言っていた評論家とか経済学者に限って、“今は割安だから衰退している!”と安易に言っている人が多いんです。まったく掌を返したことを言っていて、本当に日本の経済論壇って貧しいなと思いますね」
住宅価格が割高か割安かを表す指標「住宅価格収入比率」を見ると、日本は経済協力開発機構(OECD)の平均を下回る。コロナ渦後の住宅価格の上昇率もOECDの平均より一貫して低い。新築思考が未だに根強いことの影響が大きい。
国交省によると欧米の主要国では市場で流通する中古住宅の比率が8割前後に対して日本は14%しかないため、中古住宅の流通が進まずOECDによると日本の空き家率が13.0%と、アメリカやイギリスよりも高くなっている。一方、人口1000人あたりの新築住宅の着工数、日本が6.6個とアメリカやイギリスを上回っている。
(寺島アナ)「中古住宅を上手く流通させるのが大事っていうことなんですかね?」
(田中氏)「中古住宅を買うときの税制優遇でもしたらどうですか?ただ日本人の新築住宅に対する偏愛はかなり根強いので、なかなか難しいところがありますよね。木造住宅が多いというのも一概にアメリカやイギリスと比べても、どうなんだ?という気がしますね。耐用年数の問題やメンテナンスも全然違うじゃないですか?」
(寺島アナ)「地震があって、耐震基準も変わっていったりしますからね」
(田中氏)「そこら辺も考えないといけないと思いますよ」
〈出典〉
億ション続々、高騰でも… 日本の住宅「割安」 | 日本経済新聞 (https://www.nikkei.com/)
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