地上の太陽!? 水循環インフラ!! 未来社会のデザインとは

地上の太陽!? 水循環インフラ!! 未来社会のデザインとは

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様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが色々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」。

2024年8月5日、12日の浜松町Innovation Culture Cafeは、「未来社会をデザインするには」をテーマに、ITER主席戦略官・大前敬祥さんとWOTA代表取締役兼CEO・前田瑶介さんをお迎えしました。

入山:ここからは、「未来社会をデザインするには」というテーマでお送りしますが、大前さんの視点から10年先50年先のインフラやエネルギー問題って、どうなってると思いますか?

大前:自動化ってことは、必ず動力源が必要になり、人件費がいらなくても、自動化が進めばそのための電力が必要になります。電力消費量は膨大に増えることになります。50年後に今以上に、電力の需要が増えた時、電力への制約条件が無ければ素晴らしいなと思っていて、それができるのが、私たちが行っている核融合であると考えます。

入山:前田さん、今のお話いかがですか?

前田:まさに全体に効いてくるお話だと思っていまして、我々今の電気に対するコスト体質を前提制約条件としてやっていて、そこを外れると逆のアプローチも可能になるかもしれない。僕は核融合に対して素晴らしいと思うのは、色んな地域でエネルギーを受給できるというところで、我々が水循環でアプローチしているのも、地域や国で、基本的な資源が循環して、誰かが誰かに依存しなくなれば平和にもなるし、人口が増減しても慌てなくて済みます。その辺が核融合の素晴らしいところだと思います。

入山:大前さん、いかがですか?

大前:宇宙開発を見ていて唯一、核融合を実現させないといけないと思うのは、地球上の資源を消費しながら宇宙に向かってロケット打ち上げていることです。宇宙開発の時代が22世紀、23世紀になって人類が宇宙時代を迎えた時に地球内の資源に頼らず、人類の宇宙開発をやらないといけない。確かに地球から月まで水道管を持っていけないから、そうすると月は月の中だけでの水の循環が必要になります。それが前田さんの仰った仕組みであればできるんだなと。

入山:人類が宇宙に行くことになると、当然水は100%に近い形で循環させないといけない。前田さんはいかがでしょうか?これから何十年か先を想像する時に、どういう世界をイメージしますか?

前田:基本的な資源循環がより小さくなっているという風に考えます。それは、今まで環境インフラの領域で、使われていた技術って、生物学的、化学的なアプローチとかが支配的でしたけど、それらの管理って人が張り付く形です。ただ、それがIoTが進むことで、どんどん自動化して人がいることじゃなくなっていく。そうすると消費者の近いところで資源の再資源化ができるようになります。そのコストがドンドン改善していく。その結果、人間の資源循環が、もっとコンパクトになり、輸送も減ります。簡単に言うと、人がたくさん住むところでのインフラコストと、ポツンと一軒家で住むことのコストが変わらなくなっていくと。

入山:今の人類のインフラの仕組みってデカいわけですよね。だから、都市という巨大なところに住む方が効率が良いわけですね。

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本日のお客様
大前敬祥さん
NTTコミュニケーションズに就職後、インドや中国での駐在を経て、外資系経営戦略コンサルティング会社に転職。さらに、ITER転職後は、ITER計画における全体戦略の立案策定や実行支援、コロナ対策本部等の
指揮などを担当。

前田瑶介さん
小学生の頃から生物学研究を開始し、中学生で水問題に関心を持ったことをきっかけに、高校時代に水処理の研究を実施。東京大学では都市インフラや途上国スラムの生活環境を、東京大学大学院では住宅設備(給排水衛生設備)を研究。ほか、デジタルアート等のセンサー開発・制御開発に従事。現在はWOTA CEOとして、水問題の構造的解決を目指す。

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