定年後も働きたい人に不満な世の中?
大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日13時~15時30分)、8月7日の放送に近畿大学教授でジャーナリストの奥田祥子が出演した。先月発売となり、重版もかかったという新刊『等身大の定年後 お金・働き方・生きがい』に関して語った。
大竹まこと「今回の御本は『等身大の定年後お金・働き方・生きがい』。“生の姿がここにある”という帯がついています。やはりいろんな方にインタビューをした?」
奥田祥子「そうですね。私は前の仕事で新聞記者をしていました。それをしながら個人の活動で2000年ごろから追っていたので、長くて24年、同じ方を追っています。私も30代から、もうすぐ58歳になります。ここ10年ぐらい温めてきて、なかなか書籍化できなかったんですけど、ようやく、させていただきました」
大竹「書籍化できなければ20数年の奥田さんのインタビューも水泡に帰すと。実が成ってよかった」
奥田「それ以上に協力してくださっている取材対象者、今回は1000人以上の中から類型化しまして、男女合わせて15人の方を紹介しています。私、介護離職で無職になったときもありましたけど、いまの大学に拾っていただきました。諦めずにがんばっていればこういうチャンスもあると、身をもって体験しました」
大竹「実体験とこの御本は背中合わせ」
奥田「本当にクロスしてしまったというか。全然書籍化できなかったので、当事者と同じぐらいの年齢になりました」
大竹「60歳で定年を迎えた、その後の働き方はどうなっているのか。うまく働けているか、それとも賃金が下がるなどしているのか、インタビューして御本になさっています。雇用形態ですけど、昔と違って60歳を過ぎても働く方が普通のような状態になりましたね」
奥田「はい。人手不足と社会保障制度を我が国が維持するためにも、いま法律で65歳まで義務づけられていて。労働者が希望すれば雇用しなければいけない、となっている。(定年後に)いちばん多いのが『再雇用』というかたちで、いったん定年退職されて、新たに雇用契約を結ぶ。そのとき非正規雇用に変わるわけですよね」
大竹「そうですねえ」
奥田「定年直前と同じ仕事をしているにもかかわらず、賃金が大きく減る。実際に取材していると半分以下になるという方もすごく多い。やる気がある人ほど不満ですよ」
大竹「いままでと仕事は違わないけど給料がガタンと下がる。俺たちの世界でいえば、けっこう脂の乗った人が働こうとしているのにどんどん下がっていってしまう。下がると同時に仕事の度合いも減らされたり、別の場所に異動になったり、ということもある」
奥田「労働者側からすると理不尽に感じて不満を募らせる方も多くて。ノウハウ、経験あるから『このときはお願いしますね』、でも管理職ないし責任のあるものはずっと年下の者が、ということで、やる気をなくす。非正規雇用でガラッと変わりますので、本来なら定年まであった人事評価制度(査定)がなくなるところが多い。どれだけ働いて成果を出しても評価されず、賃金も変わらない」
大竹「うん」
奥田「やる気がある人、現役並みにがんばるんだ、という人に対しては、基本給は減らしたうえで、そのあとは成果給ということで増えたり減ったり、ということをすべきだと私は考えています」
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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