日経平均4451円安 株価乱高下の原因は?
8月6日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、日経平均の株価大暴落について意見を交わした。
今回の株価暴落っていうのは“岸田・植田ショック”
8月5日の東京株式市場日経平均株価が急落し、前の週末に比べ4451円安の31458円で終えた。
下落幅はアメリカ株の急落が世界に飛び火したブラックマンデー翌日の1987年10月20日の3836円安を超えて過去最大となっている。
(寺島アナ)「海外の機関投資家・ヘッジファンド・個人投資家といった市場参加者全員が売りに動いたと言われていますが、田中さん、改めてこの原因は一体何なんでしょう?」
(田中氏)「根本的な原因は、日本の金融政策の枠組みが大きく変わったこと。つまり利上げスタンスを明瞭化して、それが市場に伝わったということですね。ただ、日本銀行の金融政策の変化は、今年3月のYCC(イールドカーブ・コントロール)撤廃したりマイナス金利を辞めたり、そこから始まっている動きを見逃してはいけないですよね」
田中氏は、市場の動きはバブル的であったと指摘する。
(田中氏)「日経平均株価を見ると、今年の初めくらいは33000円くらいだったんです。それ以降、なぜか金融引き締めモードにも関わらず株価だけは上がっていったんです。4万円台を超えるとかなっていましたが、実態として金融政策は引き締めモードにとっくに展開していったにも関わらず、市場はそのメッセージを十分に理解することなく株価が上がっていた。つまりバブル的な状況だったわけです。先週、日銀が利上げするか分かってない段階で言いましたよね?日銀が利上げすればさすがに市場もメッセージを受け取るんじゃないか?と。“なんの根拠もなく上がっていった株価が大きく調整されるだろう”と申し上げたんですけど、そうなりましたよね?」
田中氏は今後の株価の動きとリスクを考える。
(田中氏)「さらに31000円台くらいに下がりましたけど、これは遅かれ早かれリバウンドするんじゃないか?と思います。“株価で一喜一憂すべからず”という格言がありますから、今後が重要なんですよ。日銀は事実上の利上げスタンスを変更しないと思うんです。官僚組織ですから自分の誤りを認めないということで、今後が心配ですよね。予想内のリスクとしては、日経平均に代表するのもどうかと思いますけど、日経平均がさらに下がって上田総裁が就任した時点の日経平均27000円台くらいでしたっけ?それくらい落ち込んでも不思議じゃない、とみんなが思い始めるとヤバいですよね。それを警戒しています」
(寺島アナ)「みんながそう思うと、そうなって行くっていうことですよね?」
(田中氏)「実体経済にもかなり影響を及ぼしますね。あと皆さん資産運用をされている方もいらっしゃると思いますけど、長期で運用されている方は慌てないことが重要だと思います」
(寺島アナ)「なるほど。今は急激に下がったとはいえ、長い目で見るべきと。今は巷じゃ“狼狽売り”なんて言葉もありますけど…」
(田中氏)「それが一番ダメです!こんなこと言いたくないですけど、新NISAとか始めてる人は“落ち着け!”と。そもそも長期でやろうとしているんだから、ここで一喜一憂すべきじゃない、と思いますよね。その一方で、日本経済を見てみると本当に心配ですよ。実体経済が回復する前に利上げしていますから、悪い影響が来るに決まっていますよね。その一つが今の日経平均の暴落だと思います。海外要因もありますが、なんか知らないけど日本のマスコミは“海外要因”しか言わないですよね?不思議でたまらないですよね。どんだけ日銀や官僚が大好きなのか?という気がします」
(寺島アナ)「以前から田中さんおっしゃっていましたけど、まだ日本の経済ってデフレから脱却したと言えるのか?ってことですよ」
(田中氏)「言えないです!日銀自身だって、毎回シナリオ通りとか言っていますけど、日銀の経済見通しは毎回下がっているんですよ。下がっていながら“シナリオ通り”って、これ悪いときの日銀を代表していますね。黒田日銀はそういうことをあまりしなかったですけど、昔の日銀ってそれやりまくりですよ。常に下方修正していますから、常にシナリオ通りなんです。植田日銀はそんな馬鹿なことやっているんです。そんな植田日銀を誰が指名したかと言うと岸田首相なんですよね。だから今回の株価暴落っていうのは“岸田・植田ショック”。これが一番正しい表現です」
(寺島アナ)「責任はそこにあるということですね」
(田中氏)「岸田さん、総裁選にまた出てきかねないですけど、もし再選されたらこれは総選挙が見ものですよね。いま総選挙やったら、誰が見ても大崩壊しますよ。」
〈出典〉
日経平均4451円安 下げ幅ブラックマンデー超え | 日本経済新聞 (https://www.nikkei.com/)
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