聞いたことない人も多い? 始まっている「森林環境税」とは何?

聞いたことない人も多い? 始まっている「森林環境税」とは何?

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、8月5日の放送で、6月から順次徴収の始まっている「森林環境税」を特集した。どういった税金でどう活用されるのか、ジャーナリストの二木啓孝が解説した。

長野智子「森林環境税は今年度から始まった目的税で、住民税に上乗せする形でとられます。原則ひとりあたり年間1000円が徴収されます。税収はおよそ6000億円となる見通しで、各地方公共団体に森林整備などの財源として配られると。そもそもいまの日本の森林って、どのような状況なのでしょうか?」

二木啓孝「日本の国土のだいたい7割が森林なんですね。日本が戦争で焼け野原になって、戦後、『新しく住宅が必要だよね』『紙材料の原料が木だから』と、森林政策を強く打ったわけです。どんどん植林をしていったんですが、70年代の半ばぐらいから、安い外国産の木材が入ってきた」

長野「ああ……」

二木「採っても、製品をつくっても売れない。ということで植林や森林のところがそのままになっている、手入れされていない、という状況なんですね。国連食糧農業機関(FAO)の推測で、あと100年経てば温暖化と開発で、地球上から森林が1本もなくなる、という予測が出ている。温暖化の話と価格の問題で日本は大変なことになっている、森林環境税をいただいて再興しよう、ということで。私は基本的に、森林環境税には賛成です」

長野「はい」

二木「ただし、問題は2つ抱えています。6月から住民税、所得税を払う人は1人1000円ずつね、と、記憶にあります?」

長野「ありますね。復興税」

二木「はい、東日本大震災の翌年から復興税で我々は1000円ずつ払って復興に寄与していた。これが去年で切れている。ところが財務省ってズルくて、せっかく1000円ずつ集めたんだから、名目を変えてとってしまおう、ということなんですよ」

長野「復興のためのお金と、森林を守るためのお金って、かかり方違うでしょう」

二木「森林環境税って皆さん聞いたことない、あるいはボヤッとしている。じつはサラリーマンの人は給与明細に入っています。払っているわけですよ。国会でろくな議論はしていない。聞いたことないでしょう?」

長野「はい」

二木「決め方もおかしい。もう1つの問題は森林環境税をどう地域に配分するか、ということ。配分の計算式ってこうなんです。植林をした人工林の面積、林業に従事する人、それから人口の比率を勘案してそれぞれの自治体に配布をするというかたちになっている。ここで曲者は人口なんです。田舎の人口は少ない、都会は多い。都市部の配分がすごく多いわけ」

長野「都市部の森林、そんなにないですよね」

二木「でもそういう建てつけになっている。あらゆるところ、リスナーの方が住んでいるところにも森林環境税が来ている、ということです」

このあとは森林環境税がどう使われているか、という点にも踏み込んだ。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。

長野智子アップデート」は平日午後330分500、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。 

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