「森光子と放浪記」森光子が放浪記に出会うまで【アーカイブの森 探訪記#7】
例えば街中でいきなり「森光子の代表作と言えば…」と問いかけられたら
「放浪記!」とほとんどの人が答えるくらい森光子と放浪記の繋がりは深い!
今回はそんな「放浪記」にまつわる台本を発見!
「森光子わたしの放浪記」 (ラジオドラマ台本) 全180回
「放浪記」は作家の林芙美子さんが第一次世界大戦後に
自身が放浪生活をした体験を日記に書き綴った自伝小説。
物語の舞台は1923年、関東大震災前後の東京の風景を描いており
当時は戦争の影響でまともな食事もできない貧困時代、
そこに追い打ちをかける大震災。
そんな時代の中で役者や詩人との同棲を期に極貧生活に陥る出来事など・・
芙美子さんが19歳~24歳までの波乱万丈な5年間が描かれており
過去に舞台化や映画化、テレビドラマ化されている。
そして「放浪記」が世間に広まったきっかけともいえる森光子主演の舞台だ!
1961年の初演から森は主演を演じ
累計2000公演を達成するほど森が人生を捧げてきた舞台ともいえる。
また喜びを表現する「でんぐり返し」は
80歳を過ぎても披露していたことは有名な話である。
そんな「森光子」と「放浪記」にまつわる台本を発見!
この台本の興味深いところは、なんと!
森光子が「放浪記」の主演女優として抜擢、活躍するまでの半生が
ラジオドラマとして綴られていた!
そこに書かれていたのは・・・
・終戦後にジャズ歌手として役者活動を行っていた森が
進駐軍キャンプを訪れ、日系アメリカ人の“リチャード・ウエムラ”氏と婚約、そして婚約後のハワイ生活を断り、芸能界で生きていくことを選び破局
・肺結核の闘病生活から芸能界復帰までの出来事
・「放浪記」脚本家“菊田”氏と出会い主演女優に選ばれる。
などなど・・・
こんなに壮絶な実体験をまさかラジオドラマとして、しかも本人が声をあてているとは・・貴重すぎる!
そして舞台「放浪記」が芸術祭賞、テアトロン賞を受賞した場面の台本を
発見したので一部を少しだけご紹介!
もしすると、お二人は女優と作家としてお互い目指した道は異なるが、
波乱万丈な人生を歩んできた二人だからこそ
この作品にめぐり合い、ここまでヒットしたのかもしれない・・・!
誠に勝手ながらそんなことを想いつつ、アーカイブ探訪の旅は続く・・・!
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