「タッチパネルがいまいましい」目の見えない人との活動で気づくアクセシビリティとは?
お笑いタレント、大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜13:00~15:30) が8月2日に放送され、 リトルモアから発売中の『誰のためのアクセシビリティ? 障害のある人の経験と文化から考える』を著したキュレーターの田中みゆき氏が登場。金曜パートナーの壇蜜とともに本の内容について伺った。
壇蜜「田中さんはキュレーターというお仕事をしていらっしゃいます。キュレーターとは展示会とか展覧会の主催というか、企画をしたり運営したり、舵取りをする大変なお仕事ですよね」
田中「キュレーターといっても、美術館とか博物館に所属している人がほとんどだと思うんですけれど、私は特にそういうわけではなくて、しかも扱うのは展覧会だけではなくて、パフォーマンスとかゲームとか映画とか様々です」
大竹「今回の御本は『誰のためのアクセシビリティ』です」
壇蜜「アクセシビリティという言葉は日本語にすると、どういう感じでしょうね?」
田中「アクセスできること、というのが直訳だと思います。アクセスとは、使えるとか、見ることができるとか…」
大竹「ちょっと広めに解釈すると、誰もが簡単に・普通に、障害のある人も障害のない人も、っていう感じですか。キュレーターから、こちらの方に活動を変えていったのはなぜですか?」
田中「私は、障害のある方と十数年、一緒に活動していて、面白いなと思ったのは、例えばこのスタジオに目が見えない人が1人入ると、その人に伝えようと、みなさんの話し方が変わると思うんですよね。例えば、見えてると当たり前だと思ってることを説明した時に、「この人は今の状況をこんなふうに思ってるんだ」というのが分かったり、違う捉え方が浮き彫りになったりするのが面白いなあと思うんですね。障害のある人と一緒に活動する中で、障害のある人にとって例えばダンスだったり映画を見られる、体験できるものにするっていうことはチャレンジングですし、同時に周りの人が自分とは違う捉え方があるんだということに気づいていく。そういう両方の機会を作ることが私は面白いと思ってやっています」
大竹「障害のある方が映画を見る時は、一番前の席だったり、一番後ろだったり、出口に近いところだったり、自分で席は選べませんね」
田中「アクセシビリティと言っても、現状だと障害のある人はここに座って欲しいと決められてしまっていたりします」
大竹「健常者はそれが当然のように思ってしまうところがありますね」
田中「障害のある人が障害のない人に馴染むためにアクセシビリティがあるんじゃなくて、彼らが自分で選択できる自由があるべきだと思います」
大竹「いろんな文化や情報が進んでいく中で、取り残されていると言うか、何が一番気になりますか?」
田中「目が見えない人と活動することが多いんですけれど、本当にいまいましく思っているのはタッチパネルです。駅だったり、コンビニだったり、さっき行ったデニーズの注文もタッチパネルです。もう何も書かれていないガラスと同じです」
壇蜜「どんどん普及していますよね」
大竹「触っても凸凹しているわけじゃないし」
壇蜜「中には音が出ないものもありますからね」
大竹「注文したかどうかわかんないじゃないですか」
田中「そうなんですよ」
このあとアクセシビリティについてさらに深堀り!詳しくはradikoのタイムフリー機能でご確認ください。
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