東京ガスの女性管理職、男性の育休が急増した要因とは

東京ガスの女性管理職、男性の育休が急増した要因とは

Share

様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが色々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」。

2024年7月22日、29日の浜松町Innovation Culture Cafeは、「人的資本経営のために必要なものとは」をテーマに、東京ガス・執行役員人事部長の五嶋希さんと、arca CEOで、クリエイティブディレクターの辻愛沙子さんをお迎えしました。1週目は「DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン ※)に必要なものとは?」にフォーカスしました。
※多様性と公平性、そうした多様な方を包み込んでいきましょうという考え

入山:最初にジェンダーギャップについて、お話しします。辻さんに伺いますが、日本にあるジェンダーギャップの課題ってどんなものがありますか?

辻:数字としても、ジェンダーギャップ指数というのがあって、「政治」「経済」「教育」「医療」の4項目あります。日本は数値として、G7や東アジア地域でも最下位だったり、下の方で、特に政治と経済が足を引っ張っています。個人的に思うのが個々人の意識の問題だなと。量的な変化と意識としての質的変化も必要だなと思ってます。

入山:数字だけじゃないんですね。

辻:最近だとジェンダーギャップが、なくなってきているんじゃないかと言われる一方で、意識はまだまだ変わっていないというのが、本当の課題を見えなくさせている要因なのではと思います。こうしたものが、あちこちにあるんじゃないかなと。

入山:ここまでのお話、五嶋さんいかがでしょうか?

五嶋:共感できる部分があって、東京ガスとして人的資本経営の実践というキーワードを中期経営計画に掲げていますが、その中で「多様性を力に」「挑戦による成長」それを二つの大きなキーメッセージにしています。その「多様性を力に」は多様性をそろえるだけではなく、多様性を力に変えていくということが重要だと思います。ギャップを解消するだけではなく、企業の価値向上につながる、社会で言えばよい社会の実現につながる。そういうのが大事なんだと思います。

入山:辻さん、いかがでしょうか?

辻:仰る通り、やるべきだという「べき論」もあるんですけど、企業や経済という意味ですと、アメリカでは女性の役員の比率が上がった企業の方が、業績が上がっているというのが数値としても出ています。「売り上げが上がるから、女性役員を増やそう」というのも変な話なんですけど、そうすることで新しい変化に順応できる企業っていう側面もあるのだと思います。性別も年齢も幅広い商材サービスを扱う企業の場合、多様な声があったほうが経営基盤がしっかりしているということなのでしょうかね。

入山:僕、経営学者としてよく言うのが、何のためにやるかというのが、民間企業なら重要ですよね。会社であるためには業績を上げる。そのためには、イノベーションにトライすることが必要。でもそれって、同質の人材ではできないんですよ。多様な人がいるから多様な知見が詰まって、イノベーションが起こる。間口を広げて会社の力にするダイバーシティって大事なんだって。五嶋さんは、まさにそういうのを目指されているということですか?

五嶋:そうですね。同質性よりも、いろいろな価値観やバックボーンを持った人が集まって、繋がると世の中に価値を生むと思うので、おそらく多くの企業がそういうことに着目しているのがそういうことなんだろうなと。

入山:僕の手元の資料だと、東京ガスは、2023年に女性執行役員が3名に増えて、女性管理職比率も10年前から2倍になっていると。こうした女性の登用を増やせる会社と増やせない会社、何が違うとお考えですか?

続きはこちらへ
浜カフェSpotify
過去の放送は、YouTubepodcastでも配信中!

本日のお客様
五嶋 希さん
大学卒業後に東京ガスに入社。産業エネルギー事業部、財務部、リビング企画部や、一般社団法人・日本ガス協会への出向などを経て、2023年に執行役員、人事部長に就任。2023年2月に公表した中期経営計画で、「人的資本経営の実践」を打ち出す一方、ガス事業中心の企業文化の変革、人が育つ環境づくりや仕組みの改革を人事部長として強力に推進。

辻 愛沙子さん
社会派クリエイティブを掲げ、「思想と社会性のある事業作り」と「世界観に拘る作品作り」の二つを軸として広告から商品プロデュースまで、領域を問わず手がける越境クリエイター。2019年からは、女性のエンパワメントやヘルスケアをテーマとした「Ladyknows」プロジェクトの発足や、報道番組「news zero」にて水曜パートナーとしてレギュラー出演するなど、作り手と発信者の両軸で社会課題へのアプローチに挑戦。

文化放送が運営するポッドキャストサイト「PodcastQR」では、浜松町Innovation Culture Cafe以外にも社会・ビジネスに関する番組が多数ありますので、ぜひお聞きください。
エピソード一覧はこちら

Share

関連記事

この記事の番組情報


浜松町Innovation Culture Cafe

浜松町Innovation Culture Cafe

月 19:00~19:30

浜松町の路地裏にひっそりと佇むカフェ「浜松町Innovation Culture Cafe」 経営学に詳しいマスターが営むこのお店には、様々なジャンルのクリエ…

NOW ON AIR
ページTOPへ