“日銀利上げ”地銀9割「望ましい」 アンケート結果から見える地方銀行のエゴ
7月30日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、地方銀行9割が日銀の利上げに「望ましい」と答えたアンケート結果について意見を交わした。
全国の地方銀行の約9割が、日本銀行による政策金利の引き上げを「望ましい」と考えていることが、朝日新聞が地銀99行を対象に実施したアンケートで分かった。
日銀は3月にマイナス金利を解除し、17年ぶりの利上げに踏み切った。地銀の主な収益源は、預金金利と貸出金利の差から生まれる「利ざや」で、マイナス金利政策の下では収益が圧迫されていた。
(寺島アナ)「地方銀行のおよそ9割が、日銀による政策金利の引き上げを「望ましい」と考えている、という答えですが、改めてこれはどうでしょうか?」
(田中氏)「これは良いアンケートですよ。地方銀行のエゴがよく分かります。エゴまる出しで、しかも視野狭隘で短視眼的。日本の地方銀行の経営者がいかに愚かなのかが分かる良いアンケートですね」
田中氏は利上げが地方銀行にとってマイナスの影響をもたらすと指摘する。
(田中氏)「たしかに預金金利と貸出金利の差が日銀の利上げによって拡大しますから、一見するとその時に収益が改善しますけど、その地方銀行が依存している地方経済にとって、今利上げするのはマイナスですよ。円安効果が剥落することによって、海外と取り引きがある地方の企業、海外と競争関係にある企業・漁業・農業・観光業などのすべてに利上げはマイナスの影響をもたらしますよ。そんなことやったら地方銀行のベースにある地方経済がダメになっていきますから、当然長期的には地方銀行の経営だって悪くなるんですよ。そういったことをデフレ経済の停滞で学ばなかったのか?それで地銀再編とか言われていたわけです。だから地方銀行はダメな銀行が多すぎるということが、このアンケート調査から分かったので、朝日新聞もたまには良い経済記事を出すと思いました」
〈出典〉
日銀利上げ、地銀9割「望ましい」地域経済の影響懸念、引き上げ幅は慎重想定 | 朝日新聞デジタル(https://www.asahi.com/?iref=pc_gnavi)
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