「かえって戦火が飛び火しているのでは?」ガザで起きている戦争の実態に迫る
お笑いタレント、大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜13:00~15:30) が7月29日に放送され、 幻冬舎から発売中の『なるほどそうだったのか! ハマスとガザ戦争』を著した、放送大学名誉教授で国際政治学者の高橋和夫さんが登場。本の内容について伺った。
大竹「今回のご本は『ハマスとガザ戦争』、この戦争はもう充分長く続いてますね」
高橋「昨年の10月に始まりまして、イスラエルの軍事関係者は「2か月くれ」という言い方をしてたんですが、それからもう9ヶ月です」
大竹「終わる気配を見せてません。ガザの死者、39,324人。イスラエルの死者、公式では1139人。もうガザはとんでもないことになってます。たぶん3万9千人のうちの2万人以上が女の人と子供だという話も伝わってきています。ハマスが潜んでいるという理由をもとに、あちこちの病院が襲撃されたり、学校が襲撃されたり。ここに逃げろと言われ、今度はそこを攻撃するから別に行けと追われ。もう、行き場のない、仕事のない、水がない、暮らすすべがない人たちが、あそこにたくさんいるわけですけど、どういう風になって行く…というよりか、かえってあちこちの国が参加して戦火が飛火しているように見えるんですけど」
高橋「そうなんですね。まず、ガザの現状は本当に厳しくて、ここを爆撃するから逃げろとイスラエル側はそればっかり繰り返して、5回も6回もテントを持って移動してる人たちがいる。それから、死者が4万人に限りなく近づいているんですが、イスラエル側などは、「それは現地を支配しているハマスが発表してるからそんなに死んでない」というような言い方をしてたんですけど、最近、欧米の医学雑誌が推定を出して、瓦礫の下にいる方、これから病気で死ぬ方、飢えて死ぬ方がいて、おそらく死者の総数は18万人ぐらいに上がるだろう、という言い方なんですね。もう一つ、去年の10月7日、8日の時点で、ハマスが襲撃してきたという映像を見ると、小さな機関銃とかを持っているんですけど大きな家が吹き飛んでたり、壁が吹き飛んでたりしてて、本当にハマスがやったのか疑ってたんですね。おそらくイスラエルの戦車だとか、ヘリコプターが誤爆したんじゃないか、という見方があったんですが、実は最近イスラエル側が出てきた報道で、誤爆ではなく、イスラエル人の人質が取られるのが怖いから、ハマスと一緒だったらイスラエル人が犠牲になる可能性があっても撃て、という命令が出てたことが明らかになったんですね。もちろんハマスによって殺害されたイスラエル人も多いんですけれど、イスラエル側に狙われて犠牲になったイスラエル人も多いということです。だから、亡くなったイスラエルの方にとってはもう二重に厳しい現実が出てきてるという状況があります。ガザの状況が終わりが見えない中で、イエメンのフーシ派という勢力と、イスラエルの戦いがあって、フーシ派はこれまでミサイルを何百発もイスラエルに向けて撃ってきいてたんですけど、実質一発も当たってなかったんですね。ところが先日、ついにイスラエルの防衛網を突破して、テルアビブという一番大きな都市に一つ着弾して、イスラエル側の死者が出たんですね。それでもうイスラエル側は反撃せざるを得ないということで、イスラエルからイエメンまで往復3000キロもあるんですけど、F15に重い爆弾を積んでイエメンを爆撃して帰ってきたんですね。ただ、F15の航続距離では行って帰ってこれないんですよ。だからどこかで給油したんですよね。一体誰が急したのか、イスラエルがやったのか、アメリカかヨーロッパの国が支援したのか、サウジアラビアが支援してるのかまだ分からないんですけど、イエメンはそういう国があったら報復しますと言っています。で、もう一つの戦線が開かれようとしています」
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