トランプ前大統領銃撃事件 11月の大統領選への影響は?
7月16日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、トランプ前大統領銃撃事件について意見を交わした。
トランプ氏が政権に返り咲いたらインフレの再燃に結び付きかねない!
アメリカ、トランプ前大統領がペンシルベニア州で演説中に銃撃され負傷した事件。バイデン大統領は国民に向け演説し、「意見の違いは投票によって解決する。銃弾ではない」と事件を非難したうえで国民に対して冷静な対応と結束を呼び掛けた。
FBI(アメリカ連邦捜査局)は銃撃した男をペンシルベニア州在住のクルックス容疑者、20歳と断定。容疑者は現場で大統領警護隊に射殺された。
この事件では観客一人が死亡。二人が重傷を負っている。
トランプ氏は右耳の上を撃たれたとSNSに投稿していたが、陣営によるとそれ以外は元気な様子で、当日の夜にはニュージャージー州に戻った。
(寺島アナ)「世界に衝撃が走ったこの事件。田中さん、改めてどうご覧になりますか?」
(田中氏)「トランプ氏は怪我だけでおさまりましたが、観客の中には亡くなった方もいたので非常に深刻な事件であることには間違いなく、背景はどうなっているのか?シークレットサービスや地元の警察の警護体制に問題があったと指摘もありますから、変な陰謀論に陥ることなくマスコミも含めて真相を究明することが重要だと思います」
FBIによると、容疑者は演説会場からおよそ140メートル離れた建物の屋根の上からトランプ氏を銃撃した。この建物は巡回警備の対象外だった。
銃撃に使われたのはライフル銃で、容疑者の父親が合法的に購入したものだった。
地元メディアなどによると容疑者は一昨年に高校を卒業後、共和党員として有権者登録をする一方で、過去には民主党系の団体にも少額の献金をしていた。
ホワイトハウス、バイデン大統領とトランプ氏が電話で話したことを明らかにして、バイデン大統領は「彼が無事であり元気であると聞いて感謝している」という声明を出した。
(寺島アナ)「暗殺未遂事件ですが、11月の選挙に大きな影響を与える可能性があると言われています。銃撃を受けたときに拳をあげたトランプ氏の英雄的な行動が印象強く、支持候補を決めていない無党派の有権者に影響を与える見方も出ていますが、田中さんこの辺りはいかがでしょうか?」
(田中氏)「一時的な事件のショックが色々な形で支持率に跳ね返るかもしれないですけど、まだ投票まで4カ月くらいありますから、バイデン政権側もバイデン大統領なのかハリス副大統領になるのか?とか言われていますから、大統領選にこの事件がそのまま影響を与えるのは無いんじゃないか?と思いますね」
歴史を見ていくと、暗殺未遂が政治指導者の支持の強化につながったケースもある。一方、今回の事件は極右派団体の暴力的な活動を激的に活発化させるきっかけになるだろう、という声も出ている。
2021年1月、前回の大統領選挙で不正があったとして、連邦議会議事堂にトランプ氏の支持者らが乱入し、警察官を含む5人が死亡、500人以上が起訴された。
(寺島アナ)「こうした暴力行為がエスカレートする心配も出ていますが、田中さんこの辺りはいかがですか?」
(田中氏)「極右団体の動きはさすがに僕も分からないですが、トランプ支持者の間では今回のテロが起こった背景に、アメリカのリベラル派のメディアがトランプ氏への批判を強めたことがある、と。娘さんのイヴァンカさんも似たような発言を最近していたと記憶にあります。そういった米メディアに対する批判が加速している可能性はあります」
また田中氏はトランプ氏が再び大統領になった場合の影響に注目。
(田中氏)「トランプ氏が政権に返り咲いたら色んな政策が行われると思いますが、簡単に言うとすべてインフレの再燃に結び付きかねないと思います。今の公約を全部実現したとすると、中国やその他の国から入ってくる輸入材の価格が上昇します。関税を課しますから。さらに減税政策もしますから、富裕層を中心に消費が増加するということもあります。また石油や天然ガスの消費も増やすと。全部合わせると景気が過熱しやすい政策を打ってくるので、トランプ政権に戻ったら半年~1年後にインフレ再燃が加速すると思います」
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