『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』    「葬儀費用に100万」高齢者向け保険って…

『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』    「葬儀費用に100万」高齢者向け保険って…

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情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」では、残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、大人世代のあれこれを語ります。

この連載は、番組内の人気コーナー「おとなライフ・アカデミー2024」の内容をもとに大垣さんが執筆した、WEB限定コラム。ラジオと合わせて、読んで得する家とお金の豆知識をお楽しみください。

★メールまとめ
高齢者向けの、保険料が安くて葬儀費用100万がおりる保険。お得なような気もしますが…

★メール本文
いつも楽しく聞いています!
よく、高齢者向けの保険のCMを耳にしますが、月々1000円以下の料金で、亡くなったときに100万円がもらえるとか。
1000円以下ならたいした負担でもないし、そういうのがあれば、娘や息子も安心かな、と思いますが、向こうもご商売でしょうから、損はしないように考えてますよね。
どんなビジネスモデルなんでしょうか。
(東久留米市 鴨野ネギ子 (61歳))

仕組みはシンプル
保険というものは、すべて普通に「死亡率」というものがあって、それなりの保険料になっているということなんですけどね。確かに世話になった子どもたちに「葬儀費用100万円」を遺したいという気持ちはわかります。確かに月に1000円ぐらいだったら、まあ、いいのかもしれません。
ただ、私の「49歳からのお金」という本の中でも計算したんですけど、60歳ぐらいから毎月1000円掛け金を払うとして、平均寿命ぐらいでお亡くなりになるとすると…たぶん、同じだけを毎月貯金しておく方が、たくさん遺せると思います。いつ死ぬかはわかりませんが、死んだらもうお金は使えないんです。

保険の上手な「かけ方」は…
保険は「みんながあんまりならないけど、なったら嫌だな」というものにかけた方がいいですよね。
たとえば大ヒットした「がん保険」というものがあります。なぜ大ヒットだったかといえば、「実は、皆さんが恐れているほど、がんになる人は多くない」というのがその理由です。だから「がん保険に入りたい人」は「実際にがんになる人」より圧倒的にたくさんいるわけで、保険会社はそのギャップで儲かっちゃうわけです。

絶対起こることに対しての「保険」
だから、死ぬ…というか、絶対起こることに対しての保険というのは、限りなく貯金に近づくわけです。でも保険会社の儲け分だけは割り負ける(注:証券用語。株価収益率(PER)などの投資指標が、市場平均や同業他社と比べて相対的に割安にあること。このケースでは、保険は貯金よりソン、という意味)。うちの親も「私が亡くなったときのために」とかいって貯金してます。でもその元手はこっちの仕送りなので、だったらその金額を減らそうか、みたいな話になりかねない。

保険屋さんは絶対に損しません

保険の話に戻ると、私は自分でも商品の設計をしてましたから、それはもう、保険会社は100%ソンをしないように、絶対なっているんです。かける側にしてみれば、いつ亡くなるかというタイミングの問題だけなんですね。だからビジネスモデルとしては、皆さんが思われているようなアコギなものでも、複雑なものでもなくて、単純に死亡率に応じて計算して売り出しているだけのものなんです。

今日は「高齢者向けの保険」について考えてみました。
メールをお寄せいただき、ありがとうございます。

大垣尚司 プロフィール
青山学院大学 法学部教授、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構代表理事。

第一線で培った金融知識をもとに、住宅資産の有効活用を研究・探究する、家とお金のエキスパート。

東京大学卒業後、日本興業銀行、アクサ生命保険専務執行役員、日本住宅ローン社長、立命館大学大学院教授などを経て、現在、青山学院大学法学部教授。
2006年に「有限責任中間法人移住・住みかえ支援機構」(現、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構)の代表理事に就任。
日本モーゲージバンカー協議会代表理事を兼務。著書に『ストラクチャードファイナンス入門』『金融と法』『49歳からのお金ー住宅・保険をキャッシュに換える』『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』など。

家とお金に関するご質問、お待ちしてます
番組では、家とお金にまつわるメールやご質問をお待ちしています。
宛先は、otona@joqr.netまで。

※この記事で掲載されている情報は全て、執筆時における情報を元にご紹介しています。必ず最新の情報をご確認ください

お知らせ
パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。

住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。

賃料の査定や、ご相談は無料。資格を持ったスタッフが対応いたします。

制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。

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土 6:25~6:50

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