【お天気気象転結】非常に激しい雨と、激しい雨
文化放送メールマガジン(毎週金曜日配信)にて連載中の「佳子・純子のお天気気象転結」。気象予報士の伊藤佳子記者・鈴木純子アナウンサーが、毎日にちょっと役立つお天気情報をお届けしています! この記事では全文をご紹介。
▼7月5日配信号 担当
鈴木純子
今月1日、「長野智子アップデート」のニュースクローズアップで取り上げたのは、梅雨前線による大雨。
「梅雨前線が本州付近に停滞する影響で、北日本ではきょう、西日本から東日本ではあすにかけて、雷を伴った非常に激しい雨や激しい雨が降り、大雨となる所がある見込みです」とお伝えしたあとに、「非常に激しい雨や激しい雨って?」という話をしました。
文章で見るとちょっと違和感がありませんか? でもこの言葉にはちゃんと意味があるのです。
「激しい雨」というのは、1時間に30ミリ以上50ミリ未満の雨。バケツの水をひっくり返したように降る雨で傘を差していても濡れる雨のこと。
「非常に激しい雨」というのは1時間に50ミリ以上80ミリ未満の雨、滝のようにゴーゴーと降り傘は役に立たなくなるほどの雨です。
2つ一緒に書いてあるのは、地域によって「激しい雨」か「非常に激しい雨」かが違っていて、気象庁の気象情報を読み解くと、どこでどれくらいの雨が降るかわかります。
概況文では、これくらいの雨が降る可能性があるので注意してくださいと呼びかけているわけです。
「激しい雨」=バケツの水をひっくり返したような雨。
「非常に激しい雨」=滝のように降る雨とイメージができると情報が翻訳できますね。
伊藤佳子さんとの共著「自然災害から身を守る知恵」には、雨の強さと降り方の基準を載せています。(79ページ 写真)参考になさってください。
私の身振り手振りの説明を聴いていたジャーナリストの二木啓孝(ふたつきひろたか)さんは「気象予報士の純子さんは、今にも立ち上がりそうな勢いで説明してます!」と描写してくださいました。(恥ずかしい)でも皆さんに警戒、注意を呼び掛けている意味が少しでも紐解けたらと思います。
▲雨の強さと降り方はこのように載っています
さて同じく7月1日「明日をアップデート」で取り上げたのは食事の支援が必要なお子さんがいる家族のコミュニティー「スナック都ろ美(とろみ)」の活動についてです。
永峰玲子さん加藤さくらさん、2人のママにご出演いただきました。
お2人も食事の支援が必要なお子さんを育てています。最初は1人で悩んでいたけれど、情報交換するきっかけがあって、「スナック都ろ美」を立ち上げました。ウェブサイトがあって、常連さんになると、色々なコミュニティーやリアルイベントへの参加が出来ます。
「とろみ」とは飲み込みにくいなどの障害がある方には欠かせない食事の工夫です。それをこんな風に架空のスナックの名前にしちゃうなんて。お2人の明るさとパワーにはいつも脱帽しています。
長野智子さんからも沢山質問が出ました。飲むチーズケーキの試食をしたときには、長野さんはお母様の介護経験があるので、「私が一生懸命作った食事はなかなか食べてもらえなかった」「あの時知っていれば!」との言葉が。
▲「スナック都ろ美」 向かって左が玲子ママ、右はさくらママ
「スナック都ろ美」が働きかけて嚥下支援食が実際に提供されている例もあります。(「スープストック」の立川店など)お子さんの嚥下支援食のサイトですが、将来の自分にも関係するかもしれない情報です。興味関心を持ってもらえたらと思います。
そして現在農林水産省では、期間限定で外食産業や中食産業のインクルーシブ対応や環境配慮の取組補助金を出しています。詳しい情報はこちらをご覧ください。
気象予報士 鈴木純子