【西武】豊田清投手コーチインタビュー 今井達也投手は「精神的にもチームの柱になりつつある」

【西武】豊田清投手コーチインタビュー 今井達也投手は「精神的にもチームの柱になりつつある」

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6月20日放送のライオンズエクスプレスでは、埼玉西武ライオンズの豊田清投手コーチにインタビューした模様を放送した。交流戦を振り返り思ったこと、投手陣のモチベーション維持について訊いた。

――交流戦を振り返ってみて、投手コーチとして手応えはいかがですか?
豊田「手応えでいうと、髙橋光成、今井達也がなかなか勝てなかったというところで、今のチーム状況を表しているような形で終わってしまいました」

――そんな状況のなかでも、隅田知一郎投手が広島戦(6月12日、2回戦)で、9回、99球、被安打4、4奪三振、完封の投球内容で素晴らしかったですね。
豊田「前の試合(6月11日、対広島1回戦)、今井(達也)が踏ん張って投げましたが勝てず、源田(壮亮)が最後1塁で立ち上がれない姿を見て鬼気迫るものがあったなかで、隅田(知一郎)が最後まで投げ切ってくれたことは『隅田らしいな』といったところと、空回りせず上位の広島打線を抑えたのは素晴らしいなと思います」

――試合後(6月12日、対広島2回戦)、渡辺久信監督代行にお話を伺うと、「立ち上がりはよくないように見えた。ですが、中盤で粘って、最後まで投げ切ったということが隅田投手のひとつの成長」とおっしゃっていました。豊田投手コーチはどう思いましたか?
豊田「試合前のブルペンを見ていて、前の試合のこともあると思いますが、体の調子自体はすごくよく見えました。ですが、体の調子がいい時は力んで真っ直ぐが高めに浮いたりするので、注意しないといけないなと思いながら試合を見ていました。初回、2回と先頭打者にフォアボールを与えていたので、『いつ立ち直ってくれるのかな』と思っていました。いつもだったら『低く投げろよ』とアドバイスをしていましたが、この日は体の調子がいい状態だったので、『落ち着くまでそのまま投げさせよう』と古賀(悠斗)とも話をして、イニングを重ねるごとに投球がよくなってくれたので、渡辺久信監督代行が言うように隅田の成長じゃないかなと思います」

――今井達也投手が登板した試合(6月11日、対広島1回戦)で、源田壮亮選手が1塁で立ち上がれなくなった時に、今井投手が1番最初に源田選手のところに行って肩を叩いた場面がありました。それを見たファンは「今井投手、そこまで熱い選手だったんだ」と思った方もいたそうですよ。
豊田「今井は神宮の試合(6月4日、対ヤクルト1回戦)で129球を投げて、あとを託したアブレイユが打たれた時もすぐに駆け寄った姿を見て、『チームのことを考える投手になったな』と思いましたし、精神的にもチームの柱になりつつある投手だと思います」

――シーズン折り返しに近づている状況で、武内夏暉投手のここまでの投球をどう感じていますか?
豊田「キャンプから見ていたままのいい形が出ていて、大きな投げミスがない。先発投手としての役割を果たしてくれていますし、ルーキーですからそこまで望んでいなかったのですが、多く望んでもいいような立ち振る舞い、マウンドさばきを普段の練習から見ていますので、次の登板もしっかりと開幕同様に試合に入っていってほしいなと思います」

――ブルペン陣のここまで(6月20日時点)の防御率は4.41となっています。配置換えなどいろいろやっていると思いますが、3月から6月の防御率は大体4点台です。
豊田「ブルペン陣に関しては、ルーキーや新外国人が1イニングで大きな失点をしてしまうこともあったので、防御率が跳ね上がるのは仕方がないかと思います。でも、1点も取られてはいけない試合が続いていましたし、リラックスというのは難しいかもしれません。鬼気迫るものを感じながらマウンドに上がっているところで、ひとつのミスが負けに直結してしまうのがリリーフですからね。今までやってきたことを継続するしかないですし、成長も含めてしっかりやってもらいたいなと思います」

――ブルペンを拝見していたら、羽田慎之介投手が投げていまして、投げたあとに豊田投手コーチと話をされていました。羽田投手のいいところ、これからの課題はどういうところですか?
豊田「投球、守備、ランナーがいる時のマウンドさばき、すべてが課題だと思います。ですが、それに勝るスピードボール、左投げで背の高い投手と、魅力のほうが勝っているので目を潰らなければいけないところもあると思いますが、弱点を少しでも改善していきながら、長所を最大限に活かして大きく羽ばたいていってほしいなと思います」

――正直「もっと打ってくれれば」という気持ちはあるかと思います。そんな状況で試合を続けていくなかで、リリーフ投手陣が1点も取られてはいけない場面でマウンドに上がることがほとんどです。この厳しいなかで、先発投手陣、投手コーチ陣も含めて、どうやってモチベーションを維持するかは、豊田投手コーチの手腕の見せどころかと思います。
豊田「例えば1対0で勝っています。9回に僕がマウンドに上がります。こういう場面ばかりだと今の状況とまったく同じ状況じゃないですか? 1点もやれない状況を何人もの投手が経験できる期間はそんなにないと思います。今までは投手が点をたくさん取られて防御率が悪いと言われるなかで、何とか防御率をよくしようと取り組んできましたけど、それがある程度できるようになってきてもろくなった時に、『1点もやれない状況になるだろうな』と思っていましたし、もっと悪い成績になるとも思っていましたが、ここで踏ん張っていられるのはやはり選手らのなかで目指す投手像、成績、バッテリーで決めた目標に向かってやっていますし、試合に勝つのは大前提ではあるんですけど、『打者が打とうが打つまいが、点がたくさんあってもなくても、モチベーションだけは変えずにやっていこう』という話を常日頃から伝えていて、そこも考えながら取り組んでいるとは思うので、僕が少しでも手助けできればなという形で今後も進めていきたいと思っています」

――今、西武の投手陣はいい成長機会ということですか?
豊田「そう考えるしかないでしょう」

――まだまだシーズンは続きます。これからの素晴らしい投手陣の活躍を期待しています。
豊田「はい。頑張ります!」

※インタビュアー:文化放送・長谷川太アナウンサー

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