『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 固定資産税が6分の1になる家は…
情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」では、残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、大人世代のあれこれを語ります。
この連載は、番組内の人気コーナー「おとなライフ・アカデミー2024」の内容をもとに大垣さんが執筆した、WEB限定コラム。ラジオと合わせて、読んで得する家とお金の豆知識をお楽しみください。
★メールまとめ
実家が古い。更地にするが、6倍にならない建物の基準はあるか。
★メール本文
実家が古いので更地にする予定ですが
税金が6倍になると聞いています
解体後 小さくてもいいので
6倍にならない建物の基準など
ありましたら教えてください
もしくは固定資産税が少なくて
済む方法があれば教えてください
(三鷹市 還暦かあちゃん+4 さん)
家があれば固定資産税が6分の1に
6倍になる…というよりは、普通の固定資産税が、家があると6分の1になる、ということです。だから、家がなくなると元の金額に戻ってしまうだけなんですけど。基準というのがあって、6分の1になるのは200㎡までなので、たぶん敷地的にはその程度かとご推察します。(注・200㎡を超えると3分の2)
相続した家は放置されがち
更地にした後もう一度、おそらくご自分で住むために家をお建てになるんじゃないかと思います。そういう意味では…犬小屋みたいのを建てても駄目ですけど、普通に住むお家を建てておけば、人が住んでなくても固定資産税は6分の1になります。ところが、そうやって固定資産税を安くしてあげているのに、相続した家を住まないで放置するケースが多いんですね。更地にしたらちゃんと使えるのに、固定資産税が上がるから、ボロ家でもいいから置いとけ…みたいな空き家がすごく多い。それが社会問題になってきました。
「特定空家(あきや)」と「管理不全空家(あきや)」
それはちょっとダメだね、ということで法律が変わって、「特定空家」とかいうのになって市区町村からの勧告に対して必要な措置を講じないと、建ってても本来の額がかかる。減免が受けられない。それから「管理不全空家」というのもできて、「ちゃんと管理をやってないね」とわかると、やっぱり税金がかかったりするようになりました。
「普通に住める家」が必要
固定資産税が6分の1になる家をお建てになるなら、やっぱり小屋というよりは、良識の範囲内で、普通に人が住める家が必要です。現実的にそんなに細かく見るかどうかわかりませんが、物置でもいいか、とお役所の方に尋ねられたら「ダメ」と言われると思います。犬小屋でもダメですね。
今日は「固定資産税が6分の1になる家」について考えてみました。
メールをお寄せいただき、ありがとうございます。
大垣尚司 プロフィール
青山学院大学 法学部教授、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構代表理事。
第一線で培った金融知識をもとに、住宅資産の有効活用を研究・探究する、家とお金のエキスパート。
東京大学卒業後、日本興業銀行、アクサ生命保険専務執行役員、日本住宅ローン社長、立命館大学大学院教授などを経て、現在、青山学院大学法学部教授。
2006年に「有限責任中間法人移住・住みかえ支援機構」(現、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構)の代表理事に就任。
日本モーゲージバンカー協議会代表理事を兼務。著書に『ストラクチャードファイナンス入門』『金融と法』『49歳からのお金ー住宅・保険をキャッシュに換える』『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』など。
家とお金に関するご質問、お待ちしてます
番組では、家とお金にまつわるメールやご質問をお待ちしています。
宛先は、otona@joqr.netまで。
※この記事で掲載されている情報は全て、執筆時における情報を元にご紹介しています。必ず最新の情報をご確認ください
お知らせ
パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。
住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。
賃料の査定や、ご相談は無料。資格を持ったスタッフが対応いたします。
制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。
関連記事
この記事の番組情報
大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ
土 6:25~6:50
楽しいセカンドライフを送るためのご提案などがたっぷり! 金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司と、フリープロデューサー残間里江子が 大人の目線でお届けします。…