「線状降水帯」発生予測、「府県」ごとに発表へ
毎週日曜朝5時5分からお送りしている「防災アワー」
防災をもっと身近にもっとわかりやすく生活目線でお送りしている番組です。
まもなく出水期を迎えます。
「線状降水帯」が発生する可能性を予測して、半日程度前に知らせる情報について、気象庁は5月28日から、対象地域をこれまでより絞り込んで発表します。
これまで「九州北部地方」や「東海地方」など全国を11のブロックごとに分けた範囲を対象にしていましたが、もっと狭い範囲、例えば「福岡県」や「静岡県」といった「府県ごと」に呼びかけを行います。
気象庁・地域気象防災推進官の橋本徹さんに気象庁でお話を伺いました。
より地域を狭めることで、住民が「線状降水帯」による大雨に対して、より自分ごと「我がこと感」をもって対応してもらえるのでは…というのが狙いです。
この情報が出たら、大雨に対する心構えを一段高めて、ハザードマップを確認したり、避難場所や避難経路の確認などの準備をしてほしい、
大雨警報や洪水警報、キキクルなどの防災情報も確認してほしいということです。
一方、地域を絞り込むことで、予測の確度が下がるのでは?という懸念もありますが、
スーパーコンピュータによる新しい技術を取り入れることで「適中率」は維持したまま「見逃し」を減らせるということです。
適中率(線状降水帯発生の呼びかけがあって、発生した)は4回に1回程度。
見逃し(線状降水帯発生の呼びかけがなかったが、発生した)は2回に1回程度。
数字だけ見ると、確度が高いものではないのですが、この情報が出た時は大雨が発生する可能性は高いです。
また、呼びかけがなかった隣の県が安全かというと、そうとも言い切れません。
防災情報や最新の予報に注意して、日頃から備えておきましょう。
こちらは5月17日(金)、東京ビッグサイトで開催された「自治体総合フェア2024」
講演のため来場した、石川県珠洲市の泉谷満寿裕(いずみや・ますひろ)市長にインタビューさせていただきました。
一番右のオレンジ色の防災服姿で、110人余りの自治体関係者を前に講演を行っているのが泉谷市長です。
「とてつもない被害が生じている。住宅の全壊だけで3割、半壊以上が6割。市民の4割が、生活の基盤である自宅を失ってしまったという非常に深刻な状況。
インフラ・道路・漁港・農地も相当な被害を受けている。
断水がまだまだ解消できていない。今現在ようやく72.6%通水することができたが、いまだに1300戸余りが断水しているという状況」とのこと。
泉谷市長は「復旧困難なエリア以外は、なんとか今月中に通水させたい」と話していましたが、発災後4カ月半経っても断水が続いているとは…。
被災した家屋の公費解体がなかなか進まないなど、多くの課題が山積しています。
復旧復興にはまだ時間がかかりそうです。
さて、きょうの「防災アワー」、災害ボランティアネットワーク「OPEN JAPAN」の手代千賀さんにお話を伺いました。
また、災害ボランティアとして能登支援に参加したエシカルコーディネーター エバンズ亜莉沙さんらへのインタビューもお送りしました。
手代さんには、北海道胆振東部地震や西日本豪雨で活動した時の状況について、エバンズ亜莉沙さんからは現場に行くことの大切さについてお話しいただきました。
きょう5月19日放送の「防災アワー」聞き逃したという方は、radikoでぜひお聞きください。
気象予報士 防災士 気象庁・都庁担当記者 伊藤佳子