東芝が最大4000人削減を発表 「道のりは険しいと思います」専門家の見通しは?
5月17日(金) 寺島尚正アナウンサーがパーソナリティーを務めるラジオ番組『おはよう寺ちゃん』(文化放送・月曜日~金曜日 午前5時00分~9時00分)が放送。金曜コメンテーターでMCPアセット・マネジメント チーフストラテジストの嶋津洋樹さんと、東芝の経営計画について意見を交わした。
野心的であるのは裏返せば厳しい話
東芝は2027年3月期までの中期経営計画を発表した。国内従業員を最大4000人削減するなどコストカットを進め、捻出した資金を成長事業へ集中的に投資する。4000人の削減目標は、国内従業員約6万6000人の6%に相当する。主要事業を担う子会社を本社に吸収する計画に合わせ、業務が重複する総務や経理など間接部門を中心に、50歳以上を対象に早期退職を募る。業績の低迷が続く東芝は昨年末に非上場化し、投資ファンド・日本産業パートナーズを中心とする国内連合の傘下に入った。日本産業パートナーズと連携して作った初めての経営計画を発表した島田太郎社長は記者会見で、「人員削減は会社を100年後に残すための苦渋の決断だ。光り輝く東芝の再興を実現するための 渾身 のプランだ」と意気込んだ。
寺島アナ「国内従業員6%に相当する4000人削減という数字の多さに驚きますが、これは嶋津さんどうご覧になりますか?
嶋津「個別企業としても厳しいですよね。今のようにパイが膨らんで円安の追い風が吹いているにもかかわらず、売上高が減少したりしているわけですから、追い風を充分に活かしきれないところがあるわけです。逆に言うと円高だともっと酷かったわけですし、あるいはデフレでパイが縮小している時に4000人削減すると、その人の行き先は全然ないわけです。今みたいにどちらかというと人手不足が深刻化している状況では、それぞれ個別で見ればもちろん皆さんご苦労されると思うんですけれども、全体とすれば従来に比べればいいかなと思います」
東芝は来年9月末までに、本社を東京都港区から、事業部門や研究開発部門がある川崎市へ移転・集約する。事業のリスク分析を高度化させ、確実性の高い経営計画を策定するなど、徹底した費用削減で収益改善を図る。捻出した資金は、▽データを収集・分析して企業の戦略立案を支援するデジタル事業▽脱炭素化で拡大を期待するエネルギー事業▽半導体事業――など成長事業に振り向ける。ただ足元の業績は厳しい。同時に発表した24年3月期連結決算は、売上高が前期比2・2%減の3兆2858億円、営業利益が63・8%減の399億円。営業利益率はわずか1・2%だ。
寺島「今後の道のり、どうご覧になりますか?」
嶋津「今出てたような分野は競合もありますし、まさに道のりは険しいと思います。パイが膨らんでるのに売上高が減っているというのは、その企業が個別に何か問題を抱えていることでもあるので、やっぱり非常に厳しい。野心的であるのは裏返せば厳しい話だと思います」
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