武田鉄矢が「金八先生」になったワケを語り明かす!なぜ学校が舞台?主演抜擢の理由は?
野村邦丸アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『くにまる食堂』(文化放送・月曜日~金曜日9〜13時) 5月13日の放送では、月曜レギュラーのカンニング竹山に加え、武田鉄矢が登場。『3年B組金八先生』の脚本家を務め、今月2日に亡くなった小山内美江子を偲んで、お二人の出会いやドラマを巡る思い出を伺った。
邦丸「『3年B組金八先生』などを手掛けられた脚本家の小山内美江子さんが、今月の2日、老衰により旅立たれました。94歳でした。鉄矢さん、一報を聞いた時はいかがでしたか?」
武田「その時が来たかと。もちろん、この後ずっとっていうことは不可能ですから、どこかで覚悟をしていて、3Bの卒業生と時々会って飲んだり遊んだり、ゴルフをやったりする時に、ちょっとそのことを話し合ったりなんかして。ええマサルですわ。加藤優(役の直江喜一)と一緒にゴルフをやる時に「小山内先生が亡くなったら、お前が仕切ってくれな」って。「オレが死んだらお前頼むぞ」って、そういう話を教え子とするようになりましたね」
邦丸「竹山さんは第1シリーズからずっと見てたそうですね」
竹山「本当に見てましたね。大人になって芸能界に入って、お芝居の仕事をする時は武田さんならこういうふうにやるんだろうなとかいうのを、イメージしながらやることが多いですね」
邦丸「小山内作品の『金八先生』は1979年のスタートで、その後、長いシリーズになっていくわけですけれども、最初、鉄矢さんが『金八先生』を引き受けた時はどうだったんですか?」
武田「私が目をつけられたのは、『金八』が始まる1年前に、TBSのスタッフだけが集る感謝祭みたいなのがあって、そこで3人の女性脚本家の前に立ったんですよ。これが全員TBSでヒット作品を持っている人だったんです。1人目は向田邦子さん、もう1人が橋田壽賀子さん、そして小山内美江子さん。向田邦子さんはインテリ女性の憧れの的で、TBSの『水曜劇場』でとんでもないヒット作があった。橋田壽賀子さんはまだ大ヒットはなかったんですけど地道に駆け上って、その後ろに小山内さんがおられた。その向田さんから呼ばれたんです。私は映画『幸福の黄色いハンカチ』が終わるとすぐに『水曜劇場』で葬儀屋さんの物語に出演していたもので、「ちょっと来い」って向田さんから言われて、2人の女流脚本家に紹介されました。橋田さんは私を眺め回して「へえ」っていうような感じで、小山内さんもなんかねぇ…。ただ3人に共通してたのは、山田洋二さんという厳しい監督の目をくぐり抜け、『幸福の黄色いハンカチ』でそこそこ当たってる新人だというので、橋田さんは目の端には覚えておきましょうっていう感じでした。それで向田さんは『水曜劇場』で私をお使いになってたので、私の欠点が分かってる。その欠点をポロッと2人の脚本家の前でおっしゃったんですよ。「この人ね、すごく面白い人で武田鉄也くんって言うの。この人ね、なんか昔、学校の先生になろうと思ったらしくて、芝居やるとむやみに手足が動くのよ。それがね、まるで教壇に立っている先生みたいで。だから私がやりたかった水曜劇場ではちょっと窮屈だったかな? 私、手足を動かす俳優さん、あんまり好きじゃないの」って。向田さんの理想の俳優は森繁久彌さんなんですよ。私があんな芝居できるわけないじゃないですか。手足が動いて仕方がないんですって言われたんで、「私、実は福岡にいた頃、教育大に通っていて、耳の聞こえない子どもの学校の先生になりたかったんです。だから手話以外にも手足を全部使わないと伝わらないんです」って言ったんです。そしたら、まだ大きいヒット作品のなかった小山内さんがポツンと「じゃあ学校の先生やればいいじゃない」って、そこで1回話が出たんです。それで向田さんの作品で私を使ってたディレクターの柳井満さんという方が、あの武田を使おうか、先生のドラマをやろうかと2人で散々話しあったみたいなんですよ。でもスタートは悲壮なんですよ。…まだ話して大丈夫?」
邦丸「あと10分ぐらいです」
武田「面白いのはTBSを中心にして言うと、もう裏番組が強烈なんです。片っ方のテレビ局は足長族を揃えた『太陽にほえろ!』」
竹山「ああ!金曜8時だ、そうだ!」
武田「もう片方の裏側が、巨人ばっかりが出てくるプロレス」
竹山「テレ朝だ!新日本プロレス!」
武田「その真ん中でTBSは刑事ものをやってたんですよ。これがさっぱり当たらないんです。7人も刑事が出てくる割には」
竹山「あれか!(笑)」
武田「だから小学校、中学校、高校あたりの昼休みの話題は、『太陽にほえろ!』の犯人がどうやって死んだか、プロレスでは猪木がどの技で勝ったか。TBSのドラマは7人も刑事が出てくる割には話題になりにくいっていうんで、小山内さんか柳井さんの口から「いっちょう、学校で少し当たるドラマをやりませんか?」って、学校を狙ったんですよ。それも色気づく中学校がいいと。なんで中学校がいいかっていうと…」
このあとも、『金八先生』が博多弁で喋るキャラクターになった理由など、様々な知られざる誕生秘話を、時間が許す限りたっぷり伺います!トークの続きはradikoのタイムフリー機能でご確認ください。
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