学生デモが世界に広がる理由とは?

学生デモが世界に広がる理由とは?

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5月8日「長野智子アップデート」(文化放送)、午後4時台「ニュースアップデート」は毎日新聞論説委員で毎日新聞の元ニューヨーク支局長でもある小倉孝保さんに全米、世界各地で続く学生デモについて伺った。

鈴木敏夫(文化放送解説委員)「イスラエルによるパレスチナ自治区ガザでの戦闘に反対してニューヨーク、ロサンゼルスなど、まさに全米各地の大学でデモが続いています。既に逮捕者は2400人を超えたとも伝えられています。コロンビア大学、南カリフォルニア大学は卒業式が中止となりました。そして学生たちの怒りはフランス、エジプト、日本の早稲田大学でも、飛び火していると」

長野智子「そう、オックスフォードでも」

小倉孝保「ケンブリッジ、イタリア、オランダでもやっています」

長野「まずこのニュース、小倉さんの気になるところといえば?」

小倉「全部気になるんですけど、世代が変わっているというか。ヨーロッパやアメリカの人にしてみれば、なかなかイスラエルに攻撃的なこと、批判的なことというのはしにくい空気がある。自分たちがホロコーストをしてしまったという反省がすごく強くて。いまのヨーロッパの主導者もイスラエル批判を思い切ってはできない。アイルランドやスペインのリーダーなんかが言い始めていますけど、基本、イスラエル側に立つ。ドイツのショルツさんなんかは最初からそうですよね。ホロコーストは本当に不幸だし、してはいけないことだけれど、イスラエルがいまガザでしていることを認めるのかというと、それは違う、という世代が生まれてきている、というのを如実に示しています」

長野「本当ですね。今回、デモに対して大学側が大学の自治にまで警察を入れて、逮捕したり、取り締まったり。そういう強硬措置というのは、ニューヨークのコロンビア大学なんかもそうですけど、私は驚きました。どういうふうに感じていますか?」

小倉「コロンビア大学というのは1960年代のベトナム反戦のときにもいちばん拠点になったようなところで。大学側もピリピリしていた、というのはあると思うけれど、特に当時のデモの中心だったハミルトン・ホールというのが学生に占拠されたから、というので、警察に連絡するしかない、という形になったようです。一方で映像的にもインパクトあるし、ぶつかっているところがどんどん入ってきているので、アメリカの大学もかなり強硬なことしているな、というのはある」

長野「はい」

小倉「調べてみると、アメリカでも多くの大学で、けっこう学生と話し合いをして決着しているんです。では学生が何を求めているか、というと、いくつもあるけど大きなところでは、アメリカの大学がイスラエルの企業なんかに投資をしていると。アメリカの大きな大学って、ものすごく大きな財団みたいなものを持っていて。そのお金を運用しながら大学を経営しています。そこでイスラエルの軍事産業やそういうところにも投資しているんじゃないか、だから大学の資金が最終的にガザの人たちの命を奪うのに使われているんじゃないか、ということで、それを止めようともする」

長野「はい」

小倉「そういう訴えに対して、アメリカのいくつかの大学は、これから投資先について検討する委員会をつくって、その中には学生代表を入れましょう、とか。これからホームページで大学の財団がどういうところに投資しているか、情報を公開しましょうか、とか。そういうところで折り合って、大学のキャンパスの占拠をやめよう、デモは一時終息しましょうとか、そういう話し合いも行われているんです。だから非常に厳しいやり方の大学もある一方で、学生側の訴えに耳を傾けている大学もけっこう出てきている、という感じですね」

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