円安はまだ続きそう? なかなか止まらない原因は?
4月22日「長野智子アップデート」(文化放送)、午後4時台「ニュースアップデート」のコーナーでは経済評論家の加谷珪一さんに、円安をはじめとした、日本経済の現状について伺った。
長野智子「まずは『円安が止まらず』ですね。(1ドル)154円とか。この状況ってどれぐらい続くんでしょうか?」
加谷珪一「現状が変わらないとしばらく続きそうですね。日銀が3月に金融政策決定会合で、これからは金利を上げます、と方針転換をしたんです。一方で、これまでの大規模緩和策は急にやめられないので、当分の間、緩和的な措置を続ける、というふうにも説明している。市場はどちらかというと、緩和策がまだ続く、というほうを重視しています。結果として日本はまだ緩和策が続く、アメリカは金利が上がって金融を収縮させる、というモードなので、状況は大きく変わっていない、と市場は認識しています。このまだと円安が進みやすい、ということになると思いますね」
リスナーからも円安を危惧し、加谷さんに「1ドル360円を超えると思いますか?」というメールが届いた。加谷さんは「超えることはないと思う」としつつ、こう説明する。
加谷「いま日銀はたくさんの国債を買いすぎていて、急に金利を上げられない、という状態なんですね。ただそれを放置すると円安が進む。日銀としては金利を上げたいけれど思い切った金利の上昇は難しい、ということを市場関係者はわかっている。なかなか円安が止まりにくいんですけど、日銀はその辺もわかっていて。植田(和男)総裁はアメリカでの記者会見で、『踏み込んで利上げをするかもしれませんよ』と発言しています。これが今後、市場でどう受け止められるか、というところです」
長野「360円までといわなくとも、加谷さんの中でどれぐらいいきそう、というのはありますか?」
加谷「市場って、時にオーバーシュート、行きすぎることがあるんですね。確かにここまでの動きはかなり急なんですけど、たとえば150円を突破すると152、153円が意識されるそこを超えると155円になる。ここをいま、行ったり来たりしています」
長野「はい」
加谷「ここを超えると一気に160円となってしまう。160円を超えるともっと先、と、市場は走りすぎてしまう傾向がありますので、これ以上円安にはならない、というふうには断言できない状況だと思います」
長野「日本の経済にもかなり影響が出ると思います。この番組に前回、加谷さんがご出演くださったとき、一応ですけど緩和策からの撤退を日銀は示した、今度は政府だ、と。『ボールは政府だ』とおっしゃっていましたが、どうですか。それから政府は何か、そういった(変化の)兆候はありますか?」
加谷「残念ながらまだ兆候は見えていません。日銀は緩和策からの撤退は表明しましたが、まだまだ緩和的な状況が続く、というのが見透かされていま、円安が進んでいるわけです。日銀としては踏み込んで金利を上げたい、というところですが、本当に踏み込んで金利を上げるとなると、日本経済にもっと強くないとその状態に耐えられない。ですので、やはりボールは政府側にあって。日銀が『これから金利を上げます』という政策と同時に、どうやって日本経済を立て直すか、というところがセットにならないと、なかなか市場は『金利を上げても大丈夫だ』とは判断しにくいと思います。いまのところ政府はまだ口を閉ざしている、という状況じゃないでしょうか」
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この記事の番組情報
長野智子アップデート
月~金 15:30~17:00
ニュースキャスター長野智子が文化放送に帰ってきます。 女子大生ブームの火付け役となった伝説の番組「ミスDJ リクエストパレード」で放送の世界に飛び込み、フジテ…