都内初の女性消防団長…大谷敏子品川消防団長に訊く!
毎週日曜朝5時5分からお送りしている「防災アワー」
防災をもっと身近にもっとわかりやすく生活目線でお送りしている番組です。
4月17日(水)夜11時14分、豊後水道を震源とするM(マグニチュード)6.6の地震が発生。
愛媛県愛南町(あいなんちょう)と高知県宿毛市(すくもし)で最大震度6弱の揺れを観測しました。
愛媛・高知・大分県であわせて12人が転倒して骨を折るなどのけがをし、土砂崩れや水道管の破裂、屋根瓦が落ちるなど住宅への被害も発生しました。
今回の地震は「南海トラフ巨大地震」の想定震源域内で起きましたが、気象庁は「南海トラフ地震とはメカニズムが異なる」と説明しました。
南海トラフ巨大地震は、陸のプレート(ユーラシアプレート)と海のプレート(フイリピン海プレート)との境界で発生すると想定されています。
今回は海のプレートの内部で断層がずれて発生したとみられていて、南海トラフ地震の可能性が「平常時と比べて高まったとはいえない」ということです。
(以下 気象庁HPより)
上の図でみると、今回は赤丸で囲んだ「プレート内で発生した地震」ということです。
また、今回の地震の規模はM6.6でしたが、南海トラフ臨時情報を発表するのはM6.8以上なので、評価検討会を開く基準にも達していなかったということです。
Mが0.2しか差がないと心配される方もいますが、Mは1大きくなるとエネルギーはおよそ32倍、2ならおよそ1000倍。0.2大きい場合でも2倍のエネルギーということになります。
とはいえ「南海トラフ巨大地震」は30年以内に70~80%の確率で起きると想定されていて、いつ起きてもおかしくない状況です。
日本は地震大国、改めて家具の固定や備蓄品などの備えは進めておきましょう。
気象庁では地震発生後1週間程度は、同じ規模、最大震度6弱程度の地震に注意するよう呼びかけています。
さて、今回の地震のような災害が起きたとき、地域の「消防団」はその地域の住民のために力を尽くします。
今月都内で初めて女性の消防団長が誕生しました。
品川消防署に伺い、品川消防団の大谷敏子団長にインタビューさせていただきました。
品川消防団は団員236名、このうち女性が76名、32%を占めています。
地域の「消防・防災のリーダー」として、その地域に密着し、住民の安心と安全を守るという重要な役割を担う消防団。
大谷敏子団長が消防団に入団されたきっかけは、亡くなったご主人が消防団で副分団長として活動されていたから。
AED(自動体外式除細動器)を使った東京都の応急救護大会では、何年か連続して大谷さんら女性団員グループが優勝し、そこから品川消防団ではAEDの講習を受け指導員の資格を取る団員も増えたそうです。
AEDの講習を受けた経験はありますが、いざという時使いこなす自信がないという私に、力強く「絶対できます!」とおっしゃる大谷団長。
倒れている人が自分の子どもや夫、家族だったら、必死に救おうとするだろうと…。
防災士を取った2009年以来、救命技能の再講習を受けていないことに気づき、今年中に必ず受けようと決心しました。
消防団のなり手不足が指摘されていますが、大谷団長は「消防団に入ると自分自身のためになることもたくさんある」と…。
大谷団長の話を聞いて「消防団に入ってみようかな」という気持ちになる方も少なくないと思います。
来週も品川消防団長・大谷敏子さんへのインタビューをお送りします。
きょうの「防災アワー」聞き逃した方はradikoでぜひお聞きください。
気象予報士 防災士 気象庁・都庁担当記者 伊藤佳子