後藤謙次「補選は政権全体に大きな影響を与える」
4月15日(月)、「長野智子アップデート」(文化放送)、午後4時台「ニュースアップデート」ではジャーナリストの後藤謙次さんに、「政権全体に大きな影響を与える」という衆議院補欠選挙について話を伺った。
長野智子「裏金問題、裏金処分問題などいろいろなことがあって、日米首脳会談もありました。じつは明日4月16日、ここがキーポイントだというふうに、打ち合わせで後藤さんがおっしゃっていました。衆議院の補選(告示)があり、東京15区、島根1区、長崎3区です。この衆院補選はどういう意味を持つのでしょう?」
後藤謙次「3年前の2021年、当時の菅義偉内閣で、4月に3つ補選があったんです。このとき参議院は2つだったんですが。自民党が全敗したわけです、不戦敗もありましたけど。結果としておよそ半年後に行われた自民党総裁選の出馬を菅さんが断念するという」
長野「はい」
後藤「直後に衆議院の任期切れが迫っていたんですけど、菅義偉首相では選挙を戦えないという声が圧倒的に増えて。その直前に横浜の市長選がありました。このときも小此木さんという、菅内閣の国家公安委員長が横浜市立大学の教授に負けてしまうという事態が起きた。つまり補選というのは、たった3つですけど政権全体に大きな影響を与えると。それが実証されたのが3年前でした。3つの選挙をどういう形で終わるか、ということが、9月に総裁選を控えた岸田政権の行方にも直結するんじゃないか、ということでみんな注目しているわけです」
長野「みんなも注目ですし、岸田首相の頭の中も、このことでけっこういっぱい?」
後藤「だと思いますけど、岸田さんは非常に不思議な総理大臣だと思っていまして」
長野「どういうことですか?」
後藤「事態の受け止め方が我々と若干違うじゃないかなと。どうにかなるさ、という感じがあるんじゃないですか。ただ結果として、大きな動きを岸田さんから浴びせられていますね。動じない、というところがあるんですが、1月の自民党岸田派の解散劇から、自民党の中で組織だって物事を決める、いわゆるガバナンスが完全に崩壊しちゃっているんです」
長野「ニュースを見ると、そう思えますね」
後藤「岸田さんがやるとなると、総理大臣のクーデターしかないと。たとえば2月の終わりの政倫審の出席問題でも、いきなり総理大臣が『出てきます』と言うことでみんなが出てくる。議論を経てではなく、とにかく自分の決断、総理の決断でしか物事が動かなくなってきているので、逆を言うと、岸田さんに対するある種の恐れも抱いているわけです。何をしているかわからないと。ここが6月解散説のくすぶる最大の要因だと私は見ています」
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