消費増税と同じ手口?「子育て支援金のため健康保険の増額」はやめるべき!
4月9日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、現状判断指数が2カ月ぶりに悪化した3月の街角景気について意見を交わした。
無理強いに結び付く負担増をやめた方が消費に貢献する!
内閣府が4月8日発表した、3月の景気ウオッチャー調査(街角景気)は、現状判断指数が前の月に比べて1.5ポイント低下の49.8で、消費の弱さを指摘する声が目立った。2月の実質賃金もマイナスで、生活に近い経済の動きは力強さを欠く。
物価上昇の影響で来店頻度が減少し、必需品以外の買い控えが顕著になっていて、消費者の節約志向を指摘する声が目立っている。
(寺島アナ)「田中さん、改めてこのあたりどうでしょうか?」
(田中氏)「消費の動向を見ると“外食”がかなり下がっています。外食が下がっちゃうと、サービス価格が足を引っ張っちゃうんです。そうすると“賃金と物価の好循環”というシナリオに赤信号が出かねない、という状況にもなります。消費が強くないと景気回復には結び付かないです」
田中氏は消費を強くするための、財政面での問題を指摘。
(田中氏)「いつも金融政策の話を強調するので今回は財政の方を見ますが、減税政策をもっと上手く構築するべきだと思います。一回限り6月に所得減税と住民減税をやるだけではなくて、景気が減速している限りは2、3年と続けて減税を続けば、今年限りだと財布の紐が緩まない人も多少消費が上向くかと思います」
そして田中氏は、健康保険が子育て支援金の財源としていることを問題視する。
(田中氏)「もう一つは、負担増を無くすことです。“子育て支援金”のために健康保険を増額、あれ絶対やめた方がいいです。健康保険って何のためにやってるかというと、病気のリスク分散のためにやってるわけですよね? 子育て支援って病気なんですか?」
(寺島アナ)「いやいや、違いますよね」
(田中氏)「おかしいじゃないですか。 “お金を取りやすいところに筋違いのものを乗せた”とよく言われてますが、これって恐ろしいんですよ。2012年に三党合意で消費増税案を決めましたよね? そのときのお題目は“社会保障の財源につかう”と結び付けたんですけど、それ日本オリジナルですから。少子高齢化の財源にするとか、将来不安を解消するからみんな納得しやすいじゃないですか?」
(寺島アナ)「お互い様、みたいなね?」
(田中氏)「そんなものに紐づけた日本オリジナル消費増税は絶対にやめた方がいいのにやっちゃったわけですよ。で、今どうなってるかと言うと、“社会保障財源に影響が出るので消費税は下げられない”って話です。もし今回、健康保険に子育て支援を紐づけると、将来負担増になったときに反対しても“健康保険制度自体に影響が出るので下げられません”って話になりかねないんです。消費増税のときにやった手口とまったく同じです。これ危険ですよ。絶対にやめた方がいいと思います」
(寺島アナ)「我々国民からすると“私も使ってるし、しょうがないな~”って思っちゃいますけど、そこが目の付け所ってことですよね?」
(田中氏)「そうですね! 悪知恵ですよね。将来的に無理強いに結び付く負担増をやめた方が消費に貢献すると思います」
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