「全体の平均がどうなるかは予断を許さないですよね」大手企業で賃上げ5%超相次ぐ
3月14日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、大手企業の賃上げに関するニュースについて意見を交わした。
藤井氏「中小企業はここまで上がらないのは確実と考えていい」
2024年の春闘は13日、集中回答日を迎えたトヨタ自動車や日本製鉄など主要製造業の8割が、労働組合側の賃上げ要求に対して満額回答やそれを上回る回答をした。多くの企業で連合が掲げた賃上げ率の要求方針「5%以上」を超える。約30年ぶりの高水準となった23年春季交渉を超える勢いだという。
トヨタは13日、賃金と一時金について労組側の要求に4年連続で満額回答した。いずれも過去最高水準となる。
日本製鉄は賃金改善の組合要求を5000円上回る3万5000円で回答した。定期昇給(定昇)込みの賃上げ率は14.2%。
満額回答などが相次いだのは自動車や電機など大手製造業だけではなく、コロナ禍後の経済正常化で人手不足感の強い外食でも、高水準の回答が相次ぐ。
寺島アナ「これは藤井さん、どう受け止めてらっしゃいますか?」
藤井氏「大変結構なことですね。だから彼らにおいては実質賃金は5%以上プラスになるでしょうけど、ただ、統計上の実質賃金が上がるとか下がるとか全体の平均ですから、大企業は概して実質賃金は上昇傾向で、中小企業はもっと低いですから、これが中小にどんだけ波及して、平均がどんだけ上がるのかによりますね。しかもこれは会社単位の平均じゃなくて労働者の平均ですから、労働者の平均だったら数%ってわけじゃないでしょうから、こういった春闘で上がった大手っていうのは。この春闘がどこまで対象としているのかわからないですけど、数%とか1割とかそれぐらいですから、全体の平均がどうなるかは予断を許さないですよね」
寺島アナ「そうですよね。いま藤井さんご指摘の通り、これが中小企業にどう波及していくのかっていうところですよね」
藤井氏「そうですね。だから中小企業の分を吸い上げて大手が上げているっていう側面がありますから、ここまで上がらないのは確実と考えていいでしょうね、中小は」
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