利益トップ企業の入れ替わり “事業構造改革”より軽視されている“円安効果”
3月12日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、業種の利益トップ企業入れ替わりについて意見を交わした。
目次
入れ替わったトップ3の構成は変わってない!
2024年3月期の予想純利益を5年前と比べたところ、電機や食品など半数の16業種で首位が交代する見通し。
インフレなど経営環境が変わるなか、値上げを浸透させた企業や事業構造改革を進めた企業が順位を上げている。
日経業種分類に基づき金融を除く32業種について24年3月期の予想純利益と新型コロナウイルス禍前の19年3月期の純利益を比べた。上位に浮上する企業の特徴の一つは、インフレが進むなか強みのある製品で値上げを浸透させたこと。食品は首位が明治ホールディングスから味の素に交代。
「インフレが進むなかで値上げを浸透させた企業の業績が良かったということですが、これは田中さん、どうご覧になりますか?」(寺島アナ)
「トップの業界ランキングを見ましたが、たしかにトップは入れ替わっていますけどトップ3の構成が変わってない業界が多いので冷静に見た方がいいですね。もっと下位まで順位を見て、経年の入れ替わりを見たら違うことが言えるのかな、と。ただ一個思ったのは、5年前に比べて利益の総額が大きくなっているので、コスト高を吸収したのと円安効果、株高が功を奏していると思います。ただこの日経新聞さんの記事が円安をあまり強調しないので、日経さんの独自の取材では円安効果を軽視しているのでメディアリテラシー的には注意して読むべきだと思います」(田中氏)
上位勢のもう一つの特徴で事業構造改革が功を奏したそう。電気はソニーグループが上位に浮上。低採算だったエレクトロニクス事業をテコ入れしつつ、ゲームや音楽などエンターテイメント事業に注力した。
一方TOSHIBAは5年前に半導体の子会社売却で多額の利益を計上したが、去年12月に上場廃止となっている。
「トップ企業のもう一つの特徴が“事業構造改革”ということですね」(寺島アナ)
「そうですね。いま“事業構造改革”ってのは一つのキーワードなんですよ。証券業界、経済系のメディアの人たちは“日本の企業の事業構造改革が交換されて株高に結んでいる”と言うんですけど、そういうことは眉に唾を付けて見た方がいいかと思います」(田中氏)
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