森進一から「黙ってて」と言われた喋り好きな元音響マンがなぜ歌謡ショーの司会者に抜擢されたのか?
氷川きよしさんや森進一さんなど、様々な大御所歌手の歌謡ショーで司会を務め、邦丸アナの番組でも度々お招きしている、西寄ひがしさんが3月4日の通常営業の『くにまる食堂』に登場。元々は音響スタッフだった西寄さんが、なぜ司会業をすることになったのか伺った。
邦丸「もともとは司会者になりたかったわけじゃなくて、最初は裏方をやってたんですよね。」
西寄「わたしはとにかく子供の時から歌番組が大好きで、技術とか音声とかPAと言われるマイクなど音の調整をする仕事に就こうと東京の技術会社に入りまして、もうそれだけで充分幸せだったんですよ。歌番組に行ける! レコード大賞に行ける! もう最高の仕事だなと思ってたら、当時の人事の方が「歌謡ショーとか歌謡曲ばっかり聴いてりゃいいってもんじゃないんだよ」みたいな事を言って。「音響マンなんだから満遍なく音楽を聞きなさい、しばらく洋楽に行かせます」と、それで行ったのが邦丸さんが好きな「シカゴ」「シンディローパー」「ジェームズブラウン」。それで私、反旗を翻しまして、もう辞めると」
邦丸「私は歌謡ショーがいいんだと」
西寄「それで、いろんな放送局で「辞めたいんです」って言ったんですよ。そしたらある放送局の前室で「きみちょっといらっしゃい」と言われて、見せられた名詞が、当時の森進一さんの事務所の専務さんだったんですよ。「そんなに演歌、歌謡曲が好きだったら、うちの付き人が今月いっぱいで辞めるんだけど、付き人やらない?」って言われて、もう二つ返事で行きますと」
邦丸「大御所、森進一を間近に見られるわけだ。でも付き人っていうのは、とにかく主である歌い手さんのために、いろんなところに気をつけなきゃいけないわけだよね」
西寄「それが嫌じゃなかったんですよね。修行という感覚はなかったんですよ。とにかく行く場所が全て、自分が行きたかった場所。NHKホールだったり、歌番組だったり。だから毎日が夢の世界なわけですよ。もう楽しくて楽しくて。移動する飛行機や新幹線の中でも、森さんに「あの現場ってどうだったんですか?」「ヒットスタジオの時代ってどうだったんですか?」って聞いて。そしたら森さんが「後で聞かせてやるから1回寝かせて」と「ちょっと黙っといて」って。そういう付き人だったものですから、森さんには「こいつは、しゃべることが本当に好きなんだな」と思われていたみたいで、事務所の忘年会があったときに、一番年齢が若かったんで「幹事をやりなさい」と言われて、司会の真似事をやりましたら、帰りの車の中で「お前いいよ。俺のショーの司会やんない?」と、言われたのが12月。で年が明けて3月からいきなり、川口リリアホールというところで2000人の舞台に出る事になったんです」
邦丸「だって森進一歌謡ショーの司会でしょ。ビビるよね?」
西寄「私の前は綾小路きみまろ師匠で、7年ぐらいやってらっしゃったのかな。その前は宮尾すすむさんなんですよ」
邦丸「ええ!すごいね」
西寄「ただ、そのときはメインは付人です。今考えると前代未聞なんですが、森さんがオープニングから数曲お歌いになって、ご自身でトークをやって、そこでお客様に「皆さん実は、今勉強中の付き人がいるんだけど、僕が舞台に上げることを決めました。ただし彼はまだ本業は付き人です。僕に免じて失礼や失敗が多々あると思いますが、どうかそこは許してください。出ておいで」って言われて「今ご紹介に預かりました」って出て。そこで森さんは「じゃあ私は着替えてくるから」と」
邦丸「森さんは舞台袖から消えちゃうわけでしょ。何喋ったの?」
西寄「とにかくね、しゃべることないんですよ」
邦丸(笑)
西寄「だから〇〇を延々喋って、着替えの準備ができたよって袖から合図が来るわけです」
森進一ファン2000人の前で西寄さんは何を話したのか?さらにイントロの時間ぴったりに曲を紹介する珠玉のトークテクニックも披露します。この続きはradikoのタイムフリー機能でご確認ください。
「くにまる食堂」は平日朝11~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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