「こんなに面白い仕事はない」高木裕、ピアノプロデューサーという仕事を熱く語る!
2月20日(火)の「おとなりさん」(文化放送)のゲストコーナー、「10時のおとなりさん」にピアノプロデューサーの高木裕さんが登場!「ピアノプロデューサー」という、ちょっと珍しい肩書きを持つ高木さんのお仕事の話や、様々な経験談をたっぷり伺った。
高橋優「『ピアノプロデューサー』と紹介させていただきましたが、具体的にはどういったお仕事をされているんですか?」
高木裕「おそらく私が始めたことを音楽業界の人が『調律師ではなく、ピアノプロデューサーですよね?』というところから始まったんですね。調律師っていうのは皆さんご存知のようにピアノの音を合わせる仕事ですよね。で、私の場合はそこから始めて、その後ピアノを会場に持ち込むということを始めたんです。例えば時代劇、大河ドラマなどでちょんまげして侍が戦っているような時に、後ろで若いピアノの音が鳴っているのはどうも違和感がありました。まろやかな音でポロンポロンと鳴っているのは、いかがなものかと。それで、もっと時代をさかのぼった、枯れた音のピアノを使うと。なので、表現力ということを考えたら、それに合わせた音色の楽器。特に年代ですよね、これで一番困るのが現場にピアノを持ち込まなきゃいけない」
坂口愛美アナ「はい」
高木「それで、うちの場合はピアノを何台か用意して、今度のコンサートやレコーディング、シューマンやショパンがテーマだったら『これがいいよね』っていう風に、ピアノを選ぶ。そうすると、練習出来ますからね。それで、ピアノを持っていくっていう仕事です」
高橋「ピアノの全体的な音色をリスナーの人に届けるまでのすべてをプロデュースしているというニュアンスなんですかね?」
高木「そうですね。調律師だとピアノを調律すれば終わりですから。私の仕事は全体のとっかかりから終わりまでの。たまにピアノの調律だけを頼まれると、調律が終わって休憩時間までを見てて、それで帰りますよね。『なんて楽なんだろうな!』と思うんですよ(笑)。僕らはピアノを搬入して持って帰らなきゃいけないので、いつも一番早く来て、一番最後まで居るんですよね。この仕事はコンサート全体の表現力の責任を持つので、こんな面白い仕事はないですよね」
高橋「僕はピアノを持っていく仕事をする人と出会ったことが無かったので。お話を伺うと普通は30万円ぐらいかかるっていう……その経費というのは移動だけじゃなく、湿度管理なども全部入ってるってことですか?」
高木「運送会社に頼むと、行って帰ってですから30万はしますね。で、コンサートの仕事なんか頼むと、やったことないから、早朝割増、深夜割増もつくんですよ(笑)。それじゃやっていけないので、私の出番となるわけですが、考えたらコンサート会場っていうのは、ほぼほぼ搬入口があるので、トラックを横付けして、そのまんまステージまで運べるんですね。だから、後はピアノをどう運ぶかだけを考える。ピアノは温度や湿度の管理も必要なので、トラックは冷凍車を使う。それに100ボルトの発電機とエアコンをつけて、大体コンサートホールですから、温度もわかってるんです。だから行先のホールの温度・湿度に合わせてセットして、東京から九州まで運ぶ。フェリーの中でも電源を借りて、エアコンで一定の温度を保って」
高橋「温度や湿度の管理には相当気を使われるんですね!」
高木「ピアノって振動で音が狂うって思っている人が多いんですけど、振動では狂わないんです。温度・湿度が狂わせるんですね。だから温度・湿度を一定にして持っていくとほとんど狂わないんです」
高橋「……コーナーが始まって15分ぐらい、高木さんのピアノへの熱量がすごく感じられますね!」
このあとも、高木裕さんがピアノに出会ったきっかけや、様々な経験談さらに楽器や音楽に対する想いなどを伺い、大変濃密な時間となった。気になる方は、radikoのタイムフリーでご確認ください。
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