「家も学校もない、命はある」国境なき医師団・日本事務局長が語る「過酷な場所」
2月7日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーに国境なき医師団・日本事務局長の村田慎二郎さんが登場。著書『「国境なき医師団」の僕が世界一過酷な場所で見つけた命の次に大事なこと』について語った。国境なき医師団に参加して20年近くになる村田さんは、もともとサラリーマンだった。試験に2回落ちながらも合格したという。
大竹まこと「(国境なき医師団に参加して)最初に行ったのはアフリカ・スーダン西部にあるダルフール地方と。ここは紛争のすごいところで、それまでに30万人ぐらいが亡くなって、200万人ぐらいの人が家を失ったところですね。そこに難民キャンプがあるんですか?」
村田慎二郎「そうですね。国内避難民の方たちのキャンプがあります。そこで国境なき医師団は無償で医療、人材援助を提供していました」
大竹「村田さんはお医者さんではないですが、こういうところでいろんなスケジュールを決めたり、物資の都合をつけたり、どう配るかを決めたり、医療費がどうなっているか調べたり。そういうお仕事をなさっていたんですか?」
村田「おっしゃるとおりです。お医者さんが100人いたとしても薬がないと何もできません。きちんと薬の在庫管理をして、注文、納期などを確認しながらやっていく。裏方ながら非常にやりがいのある仕事でした」
壇蜜「お医者様のバックアップを担っていたんですね」
大竹「気温は45度。いろんな人の匂いにやられて初日は仕事にならなくて。休憩室で横になっていた、と(著書『「国境なき医師団」の僕が世界一過酷な場所で見つけた命の次に大事なこと』に)書いています)」
村田「情けないですけど初日はそうでした。それまで日本でしか生活していなかったものでしたから。違う惑星に着いたかのような感じがしました」
壇蜜「御本にはスーダンでの暮らしというか、初日に衝撃を受けたということと、そこからのお仕事、『がんばるぞ』という内容もあります。スーダンの人たちのことも書いてありますね。どんな人たちでした?」
村田「本当に紛争のために水、食料へのアクセスも、医療へのアクセスも乏しかった。家はない、学校もないけど、命はある。そういう世界でした。もう日本とはまったく違う世界で。そのとき日本から来ていた新聞記者さんが、日本なら小学2、3年生ぐらいの子供に『君の夢はなんですか?』といった質問をしたらしいんですね」
大竹「現地の子供に」
村田「そうすると子供の答えが『カワジャになりたい』と。カワジャは現地の言葉で『外国人』ということです。外国人になるのが夢ですと。それが本当に物語っているぐらい、現地で、自分たちの社会の中でこういうことをしたい、こういう人になりたい、というのが描きにくい、そういう環境だったと思います」
壇蜜「夢や可能性みたいなものが見つけづらい場所だったということですね」
村田「はい。そう思います」
番組ではさらに詳しい現地の様子、国境なき医師団の実情などが語られている。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。
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