「安倍派最後の日 45年の歴史に幕」

「安倍派最後の日 45年の歴史に幕」

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 文化放送をキーステーションに全国33局で放送中「ニュースパレード」(毎週月曜日~金曜日午後5時00分~5時15分)

 その日に起こった最新の話題を中心に、幅広い分野にわたってニュースを紹介しています。昭和34年の放送開始以来、全国のラジオ局の強力なバックアップで、特派記者のレポート、取材現場からの中継など、今日最も重要なニュースを的確に把握し最新情報を伝え続けています。

 文化放送報道記者として国会、官邸を担当し、日夜取材活動で活躍する山本香記者が放送でお伝え出来なかった話題を取材後記としてお届けします。

 



 

清和政策研究会、安倍派の最後の総会が2月1日、自民党本部の一室で行われ、45年の歴史に幕を下ろした。
福田赳夫元総理が創設し、森喜朗氏、小泉純一郎氏、そして安倍晋三氏と3人の総理総裁を輩出し、
存在感を示し続けてきた清和研。最後の総会で塩谷立座長が「このような事態になって残念無念な思い」と挨拶したが、
拍手を送った議員は2人くらいだっただろうか、力のないパチパチという拍手が室内に寂しく響いていた。
この日の総会では、解散に向けた作業について、新たに清算管理委員会を設置して進めていくことや、
派閥に残った金を能登半島地震など公的機関に寄付することなどを決議して終了。名門派閥の幕引きはあっけなかった。

「一致結束箱弁当」

派閥の総会は原則毎週木曜日の昼に開催することもあり、各派閥では昼食として弁当のほか、
かつてはカレーライスが提供されることが慣例となっていた。「一致結束箱弁当」を合言葉に派閥メンバー全員で
同じものを食べて心合わせをしようという思いも込められているという。昼過ぎに開催された安倍派最後の総会で
提供されたのは豪華すき焼き弁当だ。心合わせならぬ安倍派終焉の食事となった。

「政治責任」
最後の総会では、塩谷座長に対し、安倍派が起こした派閥裏金事件の政治的責任を求め、辞職を求める声が上がったという。一方で「塩谷座長1人に責任を負わせるのは問題だ」という意見もあった。

自民党内では、松野博一前官房長官や西村康稔前経済産業大臣らの責任論も浮上しているが、自ら離党や辞職する考えはないようだ。

「紙対応」

派閥最後の日を前日に控えた1月31日、安倍派が政治資金収支報告書の訂正を届け出た。
不記載は5年間で6億7654万円と巨額に上った。
パーティ券の売り上げのキックバックを受けたにもかかわらず記載せず、
裏金にしていた可能性があるのは現職、元職合計95人に上る。
この日、安倍派の加藤竜祥国土交通政務官と小森卓郎総務大臣政務官が、不記載を認めて辞任した。
野党第一党、立憲民主党の安住淳国会対策委員長は2月1日「想像以上に関わっている議員が多いのと、
額が大きいことがはっきりした。刑事責任でとりあえず検察当局は区切りをつけたが、政治責任はこれからだ」と述べ、
裏金に関与した安倍派議員の責任を追及する考えを強調した。
野党は、かかわった議員が自ら説明することも求めているが、下村博文元文部科学大臣や、
衛藤征四郎元衆院副議長は記者会見を開いても番記者以外は参加させない閉鎖的な対応だ。
一方、記者会見やぶら下がりには応じず書面での説明にとどめる「紙対応」で済ませる議員もいる。
説明責任という言葉は上滑り、誠意も感じられない対応だ。裏金事件は派閥を舞台に起こったが、
法を無視したやり方を長年慣習として当たり前のように続けてきたのは政治家であり、
国民の政治不信を払しょくするためには政治家の刷新も求められるのではないだろうか。

ニュースパレードPodcast

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