『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 読んで面白い辞書『新明解国語辞典』、通称「新解さん」に新版が出ました!

『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 読んで面白い辞書『新明解国語辞典』、通称「新解さん」に新版が出ました!

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金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司(青山学院大学教授)さんと、フリープロデューサー残間里江子さんが、楽しいセカンドライフを送るためのご提案をお届けする番組『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』。

この記事では、「大人ファンクラブってどんな番組?」という方のために、コーナー「大人ライフ・アカデミー」をもとに作成された大垣さんのレポートをお届け。ラジオとあわせてもっと楽しい、読んで得する「家とお金」の豆知識です。

2020年12月12日の放送は、大垣さんが愛してやまない国語辞書『新明解国語辞典』の新版が出たお話。普通の辞書とはちょっと違った、独自の定義が大垣さんのお気に入り。まるで編纂者の顔が見えるかのような、思わずクスッと笑ってしまう説明を、広辞苑の説明と比較しながらご紹介します。

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●日本で一番売れている辞書、通称「新解さん」に新版が出ました

今回の放送では、いつものような「家とお金の豆知識」ではなくて、私の好きな国語辞書である『新明解国語辞典』、通称「新解さん」についてお話ししました。

リスナーの皆さんの中にもこの辞書を持っていらっしゃる方がいるかもしれませんね。実はこれ、日本で一番売れている国語辞典なんです。2020年の11月に、9年ぶりの改訂版が出たことで話題になりました。

この辞書の特徴は、なんといっても読んで面白いその定義。見開き2ページに一項目ぐらい、他の辞書とは一味違った、独特の定義がつけられているものがあるんですよね。読み物として楽しめる辞書なんです。

辞書としては比較的手に入れやすい価格なのも嬉しいですね(Amazonでは2021年3月時点で3,500円程度で販売)。

というわけで、広辞苑の定義と比べながら、新版の「新解さん」の項目を見ていきたいと思います。

●大人世代に関連する言葉から。個性的な定義で「老い」を解説

まずは大人世代に関連する用語から見ていきましょう。

例えば「高齢」という項目。広辞苑の定義は「年齢が高いこと」。まあ、そうだろうな、という定義ですよね。

一方、新解さんは「高年のため人生経験は豊かである反面、体力気力の衰えを意識せざるを得ない状態にあること」

「豊かである反面・・・」という、上げて落とすような紹介の方法、すごく面白いなと思います(笑)。

続いて、「加齢」という項目も見てみましょう。広辞苑では「新年、または誕生日を迎えて年齢が増す事」。要するにエイジングですよね。

一方、新解さんは「壮年期を過ぎた人が年を経るに従って老いへの道を確実に辿る事」

それから「若い」という項目も見てみましょう。広辞苑では「生まれてから年月を経ることが少ない」こと。

一方、新解さんは「子供だと捉えられる段階は過ぎているが、中年には達していない年代で、肉体的な機能が充実し気力活力に満ちていると捉えられる状態にある様子だ。また、年齢の点では中年以上であっても気力活力の点では中年以下の人と変わらない様子だ」

これ、私、すごく好きです(笑)。

ものすごく突っ込んだところまで定義をしてしまうのが、読んでいて楽しいなと思います。各項目を誰が担当して書いているのかというのは分からないんですが、書いた人の性格が想像できるような、すごく奥行きを感じる辞書なんですよね。

●まだまだ面白い表現がたくさん。虫についての説明も面白い

大人世代に関係のない言葉も見ていきましょう。

たとえば「虫」を見てみましょう。広辞苑では「本草学では人類、獣類、鳥類、魚類以外の小動物の総称」と書いてあります。

新解さんの定義は「湧くようにして生まれてき、地上を這い回ったり、池、川や海中、地中に住んでいたりする小さい動物」

すごいですよね、「湧くようにして生まれ」るなんて表現、なかなか出てきませんよ(笑)。

虫繋がりで「虫の知らせ」は、広辞苑では「何の根拠もないがなんとなくそのような気がすること」ですが、新解さんは「自分にとった妙な行動や何かから受けた嫌な感じは偶然そうなったのではなく不幸な出来事に対する予感であったと思うこと。多く、のちになって思い当たった場合に用いる」という説明がしてあるんです。

補足が面白いんです。「のちになって思い当たった場合に用いる」って。そこまで書かなくていいのに、この書き手はこれが大事だと思ったんだな、という。

もっと面白いのが「ゴキブリ」の項目。広辞苑では「シロアリ類を除くゴキブリ目の昆虫の総称」ですが、新解さんは「台所を始め家の中のあらゆるところに住む、油色の平たい害虫。触ると臭い」って書いてあって。

この人触ったんだっていう(笑)。普通触らないですよね、ゴキブリなんて。なんで国語辞典に「触ると臭い」なんて情報を書かないといけないのかっていう。

●定義を考えた人の「個性」が見える面白さがあります

新解さんは自分で実験することをそのまま書いているんですよ。

例えば「塩」は、新解さんでは「生成したものは一見砂糖に似る白い結晶。人間の生活に欠くことのできない調味料だが、一度にたくさん舐めると舌を刺すような刺激がある」って書いてあって。

一度にたくさん舐めたんだ・・・って思ってしまいますよね。ゴキブリは触るし、塩は一度にたくさん舐めるし。定義を見ていくうちに、新解さんを作った執筆者のキャラクターがどんどん見えていくようで笑ってしまいます。

今年の冬はコロナのせいで外に出られないことも多いかと思います。ぜひ「読む辞書」を冬のお供にしてみてはいかがでしょうか。

今回は、『新明解国語辞典』についてお話ししました。

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