自民党、見せかけだらけの政治改革

自民党、見せかけだらけの政治改革

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 文化放送をキーステーションに全国33局で放送中「ニュースパレード」(毎週月曜日~金曜日午後5時00分~5時15分)

 その日に起こった最新の話題を中心に、幅広い分野にわたってニュースを紹介しています。昭和34年の放送開始以来、全国のラジオ局の強力なバックアップで、特派記者のレポート、取材現場からの中継など、今日最も重要なニュースを的確に把握し最新情報を伝え続けています。

 文化放送報道記者として国会、官邸を担当し、日夜取材活動で活躍する山本香記者が放送でお伝え出来なかった話題を取材後記としてお届けします。

 



 


派閥復活
自民党の派閥裏金事件を受けて、政治刷新本部による中間とりまとめが1月25日、総務会で全会一致で決定した。派閥からの決別をうたいながらも、全廃には切り込めず、政策集団として存続することを容認。事件の根幹ともいえる政治とカネについては、会計責任者だけでなく国会議員にも責任が及ぶ連座制の導入は盛り込まず、事件の調査や関与した国会議員への処分対応もあいまいで、野党は「腰が引けている」、「自浄作用に疑問」など批判が飛び交った。議論に参加した自民党議員からも「刷新本部で22日に提示された内容より後退した」と不満の声が次々と上がった。

26日に召集される通常国会を前に、ギリギリ間に合わせた中間とりまとめ。急ぎ足でまとめたため詰め切れなかったのか、
本気でやる気がないのかわからない。石破元幹事長は「派閥を解消して終わりではない。派閥が担ってきた機能を党が
どのように果たしていくのか、一体で示さなければ、やがて元に戻る」、つまり派閥復活への懸念を示した。

派閥の雲行き

それでも岸田総理の鼻息は荒い。23日の政治刷新本部の会合後、「お金と人事を切り離すことによって、いわゆる派閥を解消し、真の政策集団になってもらう」とした上で、派閥存続の意向を示す麻生派と茂木派についても「派閥ではなくなる。真の政策集団になってもらう」と意気込んだ。
その麻生派と茂木派は派閥存続の意向を示しているが、裏金事件で立件されていない森山派と谷垣グループが25日、相次いで解散を決定したことで、雲行きが怪しくなってきた。茂木派内からは「一旦解散して、出直した方がいいのではないか」
「派閥に入っていると選挙で不利になる」という声も出始めた。

麻生さんは怒っている

派閥の先行きに不安を感じたためか、小渕選挙対策委員長は茂木派離脱を表明した。後に続く議員がどれくらいでるだろうかと頭が痛い派閥トップ。麻生派を率いる麻生副総裁は、岸田総理が派閥の解散を表明して以来、口をへの字にまげ、ずっと怖い顔のままだ。

麻生氏は、17日に突然、岸田派解散の意向を表明した岸田総理に不快感どころか、不信感を募らせている。事前に一言も相談はなく、まさに寝耳に水だったという麻生氏。政治刷新本部の最高顧問として菅前総理とともに名を連ねているが、第1回会合が開かれたのは麻生氏が訪米中。帰国した時、党内議論は派閥解散の大きな流れができていた。第4派閥の岸田総理を、第2派閥のトップである麻生氏と、第3派閥のトップ茂木幹事長とともに3派連合で支えてきたにもかかわらず、軽んじられたという思いが強い。21日に都内のホテルで岸田総理と会談を行ったが、関係修復まではいかなかった。その麻生氏、帰国後は
政治刷新本部に出席しているが、麻生派所属の議員は、「麻生さんは終始、黙って目をつぶって、皆さんの意見を聞いていた。心中、いかばかりか」と麻生氏の心中を気遣った。


裏金国会
「派閥の在り方ばかりが注目されているが、政治改革の根幹は政治とカネだ」。こう指摘するのは立憲民主党の泉代表や長妻政調会長だ。事件の徹底調査と、裏金の使途についても説明すべきだと強調。通常国会を「裏金国会」と位置付け、徹底追及する構えだ。本丸は派閥ではなく、政治資金の透明化や連座制の適用など政治資金規正法の改正にかかっている。それに加えて、疑惑を持たれた国会議員自らの説明責任も欠かせない。徹底的に調査を尽くし、真相を明らかにすることで初めて政治とカネ問題への決別につながるのではないか。政治への信頼を取り戻せるかどうかが試される国会になりそうだ。

ニュースパレードPodcast

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