信頼できる人と別れるのが辛い…新しい環境でやって行けるか不安という声に中元「少しずつ慎重に時間をかけて人間関係を築いていい」
『中元日芽香の「な」』が、1月22日(月)午前7時に更新され、リスナーからのメールでの相談に答えた。
今回の相談は、「中学3年生女子です。私は家庭環境が悪くて、児童相談所に今年まで保護されていました。中学校にはほとんど通っていなかったので、友達がいません。正確には数人いますが、同世代の子に恐怖心があって、距離をとっています。信頼できる人は本当に児相の人たちしかいないのですが、児相とももうすぐでお別れしなければいけません。同世代の子や学校にまだ恐怖心があるので、これからの自分の居場所はどこにもないな怖いなと最近すごく考えてしまいます。ネガティブ志向になっているので、将来は児童福祉の仕事に就いて、その人たちと再開したいという野望もありますが、私が仕事をできるようになる年齢になる頃には、その人たちの中には亡くなっている方もいるんじゃないかということに気づいてしまって怖いです。さらには、自分もいつかは死ぬということにも改めて気づいてしまって怖いです。人は必要な時に必要な人と会うということはたくさん学んで、分かっていたつもりなのですが、初めて本当に自分が大切だなと思える人たちに出会えたので、今は人と別れることが本当に怖いです。メンタルが弱いので、これから自分で居場所を作っていく自信がありません。あと死ぬのが本当に怖いです。どうしたらいいですか」というもの。
中元は相談者に寄り添いつつ、次のように答えた。
中元「怖いっていう言葉が何度も出てきましたね。これからの自分の居場所についてをすごく考えてしまうんですね。信頼できる人たちに会えたっていうことで、児童相談所での出会いは相談者さんにとってかけがえのないもので、でも本当の家族のように、これから先、一生一緒に皆さんと居続けることはできないっていうのが本当にもどかしい。幼い頃に当たり前のように居場所を与えられて、人が自分から離れていくっていうことをあまり経験せずに大人になれてしまう人も世の中にはいるわけですが、相談者さんは児童相談所というところで、これまで過ごしてきたんですね。児童相談所に保護をするのは大人の義務であり、責任でありますが、その新しい場所にいる人たちを大切にして、丁寧にコミュニケーションをしてきたのが相談者さんのお力なので、頑張ったから、こうして、大切な人たちと出会えた。その存在に気づけたっていうことなんじゃないかなと思います。新しい場所をこれから作っていくということですが、児相の人たちとは割とすぐに打ち解けられましたか?それとも少し時間がかかりましたかね。次の環境でこの人のことを信じてみたいなっていう存在がもし現れたとして、でも、少しずつ慎重に時間をかけて、時には疑ってみたりとか気持ちをぶつけてみたりしながら、人間関係を築いていくっていうので、良いんだと私は思います。この人のこと全面に信用できるという出会いって意外と多くはないような気がするので、そんな人たちに中学生で出会えたのは幸運でありながら、同時にお別れも経験しなくちゃならないっていうのが辛いですね。そして、相談者さんは自分の死についても大切な人たちの死についても考えてしまって、将来に対して希望よりも不安とか怖いって気持ちが強くなってしまっているということで、未来のことを考えるのも過去と向き合うのもどっちもエネルギーがいります。だから今の自分に目を向けてみて、ちょっとネガティブなことしか考えられないなあって時には、いったん未来のことを考えるのを休憩してみても、たまにはいいかもしれないですね。今日の自分どうかな?ちゃんと生き抜いたな。今自分のそばにいてくれる人たちの顔を思い浮かべて、感謝とか伝えられるうちにどんどん伝えていこうとかね。それ今できることですから。未来を照らす力が弱くなっているときなのかもしれませんが。それだけ児相で過ごした時間が濃くて、温もりとか言葉とかきっとたくさんいただいたんでしょうね。どうか相談者さんの次の場所も安心して、笑顔で過ごせる場所になることを祈っております」
『中元日芽香の「な」』は毎週月曜日午前7時に、Podcastにて更新中。
「過去の配信分もこちらから聴けます」
-
Profile
-
1996年4月13日生まれ。広島県出身。早稲田大学在学中。 日本推進カウンセラー協会認定、心理カウンセラー&メンタルトレーナー。 2011年から6年間、アイドルグループ「乃木坂46」のメンバーとして活動したのち、2017年にグループを卒業。 自身の経験から、心理カウンセラーになることを決意。グループ卒業後、認知行動療法やカウンセリング学などを学び、2018年にカウンセリングサロン「モニカと私」を開設し心理カウンセラーとして活動を始め現在に至る。