マンガ研究者・岩下朋世、現代の少女漫画の恋愛の傾向を語る!

マンガ研究者・岩下朋世、現代の少女漫画の恋愛の傾向を語る!

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1月11日の「おとなりさん」(文化放送)は、マンガ研究者の岩下朋世さんが出演。昔と今の少女漫画の恋愛の違いを語った。

ふかわりょう「岩下さんは、少女漫画の中でどういう研究をしているんですか?」

岩下朋世「私が、特に興味があるのが歴史と表現。1950年代、60年代の少女漫画について調べたり研究しています。少女漫画が世の中で広く読まれるようになったのは1970年代くらいなんですね。例えば、“ベルサイユのばら”とか。この時代にヒット作が出てきて、大人も男性も少女漫画を読むようになるんですが、それよりも前の少女漫画って低く見られがちなんです。そのころも面白い少女漫画はありますし、70年代につながることも色々起きているので、研究しています」

文化放送・坂口愛美アナ「50年代、60年代の少女漫画には具体的にどんなものがあるんですか?」

岩下「一番誰でも知ってるのが、手塚治虫の“リボンの騎士”。今だと少女漫画を描いているのは女性というイメージが強いんですけど、当時は手塚治虫、石ノ森章太郎、赤塚不二夫、ちばてつやといった男性の漫画家も女性向けの雑誌で描いていたんです。そういうことも歴史を考える上で重要だと思ってます」

ふかわ「少女漫画の内容は、かつての恋愛でいえば奪い合いや愛し愛されるというものだったかと思うのですが、今はドライになってたりするんですか?」

岩下「両方あると思います。恋愛が今でも強いとは思うんですけど、現代的な感覚が盛り込まれている作品は増えてます。昔は、強引にアプローチしてくる男がいたんですけど、今はそういう人は怖い感じ。もっとソフトなものが多いです。最近、私が面白いと思う少女漫画が“四畳半のいばら姫”。その作品で主人公は、好意を持ってる男性からいきなり触れられたり、性的な言葉でいじられたりとかすると拒否反応を示してしまう。そういうのは良くないよねというのが、自然と入ってるのが昔と違うところかなと思います。男と女がいるから恋愛にならなくていい。自然な関係を作れたりすることもあるよねみたいな作品は増えてると思います」

ふかわ「そういう意味ではあだち充さんの漫画が好きなんですよ。スポーツしても汗臭くなく、でも恋愛もレモンの香りが漂ってくる絶妙なブレンド加減。あれは最高だなと思います」

岩下「“タッチ”は、甲子園で優勝するかしないかより、人間関係が大事。あんまり暑苦しくなくてかっこいいですよね」


「おとなりさん」は平日月曜~金曜の朝8~11時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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