「起こしてはならない事態が次々と起こってるんですよ」能登半島地震 土砂崩れの死者25人
1月11日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、能登半島地震に関するニュースについて意見を交わした。
藤井氏「最悪の事態として想定していたことが次々起こっている」
最大震度7を観測した能登半島地震で、石川県は10日、死者数が前日から4人増えて206人になったと発表した。うち災害関連死は新たに2人確認され、計8人になった。今回の地震では新潟、富山を含めて3県で土砂崩れが60件発生し、25人が犠牲になっていたことも判明。土砂による道路の寸断で孤立集落は今も解消されておらず、影響が長期化している。
能登町によると、新たに追加されたのは同町の80代男性と70代女性。それぞれ町の指定避難所と自主的な避難所から心肺停止状態で救急搬送されたが、死因は不明としている。
寺島アナ「災害関連死が増えてきているということなんですが、これは藤井さん、このあと心配な大きな一つですね」
藤井氏「いやぁ、そうなんですよね。孤立によって残念ながら命が救えなかったということもあると同時にですね、孤立してる所がたくさんあるということは十分な救援物資が届いていない地域がそれ以上にたくさんあるということを示唆しているわけで。
救援物資・救護物資・医療等々のサービス提供、「DMAT(ディーマット)」っていうのがありますけど、それが不十分だから災害関連死が拡大してしまっているんですよね。でも、これもまた『命の道』の重要性を示唆しているわけですよね。場合によっては十分な命の道が確保できていれば、被災地から救護して違う所に移動させていくということもできるわけですからね。東日本大震災のときとか、そういうことも結構行われたわけですけども、それも十分にできない」
さらに、藤井氏は被災地で発生する感染症拡大について自身の見解を述べた。
藤井氏「輪島市の市長も言ってましたけど、避難所が全然足りないと。小学校が被災したりとかして。だからぎゅうぎゅう詰めになってて、物資も足りないし、人を移動することもできないから非常に劣悪な環境に置かれてて。国土強靭化の中でも我々が特に重視していた問題の一つが、被災地における感染症の拡大なんですよ。それがもう残念ながら起こっちゃってるんですよね。特に冬の場合、そうなるんですけど」
寺島アナ「まぁ、インフルエンザとか新型コロナとかノロウイルスとか色々ありますから」
藤井氏「そうです。阪神淡路大震災のときは1月だったじゃないですか。1月17日。ちょうど同じような時期で、あのときもインフルエンザが非常に流行してしまったんですよね。で、そのときのインフルエンザの関連死っていうのを事後的に推計するじゃないですか。そうすると、やはりその年は非常に拡大してしまってるっていうのが示されているんですよね。
だから、残念ながら最悪の事態として想定していたことが次々といま起こっているんですよね。1月1日の午後4時過ぎだけの話じゃないんですよ。そこから10日間ずっと、国家が国土強靭化の中で言ってた、起こしてはならない事態っていうのが次々と起こってるんですよ。なんとかしないといけないですね」
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