「新春・景気アンケート」で、主要企業の経営トップの9割が「今年は景気が回復する」と回答
1月3日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター・経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、読売新聞社が実施した「新春・景気アンケート」について意見を交わした。
このアンケート結果に森永氏「回答しているトップたちは何を見てこのような判断をしているのか、逆に興味がある」
読売新聞社は主要企業の経営トップ30人を対象に、「新春・景気アンケート」を行った。今後半年程度の景気について、9割を超える28人が「回復する」と回答、2022年の実質経済成長率の予測では3%以上が4割超を占めた。
アンケートは去年11月下旬~12月中旬に行い、インタビューや書面で回答を得たという。今後半年程度の景気の見通しでは3人が「急速に回復」、「足踏み」「踊り場状態になる」が2人だけだったという。
回復の要因を複数回答で聞いたところ、27人が「個人消費の回復」を挙げ、18人は「感染防止と経済活動の両立が進む」と答えている。
寺島尚正アナ「主要トップの9割が、『今年は景気が回復する』とみているようなんですが、これについて森永さんはどういう感想をお持ちでしょう?」
森永康平「これはあくまで主要企業……これがどこなのかというのはありますけど、いわゆる上場しているような大企業だと思うんですよね。で、これのトップ30人ですから、一部の上場している大きな企業の中でも、かつ選ばれた30社の経営者にインタビューしているので、これが少なくとも日本国民全体のアンケート結果だと誤解してはいけないということですよね。で、まあ30人中27人が個人消費が回復していくんだというのを言っているわけなんですけども、少なくとも私が確認できている経済指標を見ると、どう見ても日本の個人消費ってそんなに強いようには見えないので、『一体彼らはどのあたりの層を見て答えているのかな?』というのは若干疑問になったというか、商売の相手が少なくとも一般的な国民ではないのかなって、ちょっと思ってしまいますよね」
寺島「なるほど。だから森永さんが参考にされている指標を見る限りでは『いや、そんな個人消費上がって来ないだろう!』って言うね……」
森永「まあ、そうですねえ。GDPにおける個人消費ですとか、総務省が出している家計調査とかですね、こういう皆さんが確認できる指標を見ていても『個人消費強いな!』『これ今年は期待できるぞ!』と思えるような結果には見えませんから、彼らが一体何を見てこのような判断をしているのか、というのは逆にちょっと興味がありますね」
寺島「だって私の知っている範囲でもね、実質賃金が19ヵ月連続でマイナスだったっていうことを見ると、『使える金もそんなに無いのに、どうして……じゃあ賃上げか?』みたいになってくるんですけども」
森永「賃上げ自体もね、昨年の賃上げは30年ぶりの高水準だったのは事実なんですよね、春闘の結果は。ただそれは大手の企業がそうだというだけで、中小零細だとやっぱり上げ切れていないところだったりとか、無理して上げているところが多かったようなイメージがありますから、ちょっとこのアンケートと国民感情の乖離みたいなものは感じますね」
「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。