「これが継続する保証は全くないですよね」来年度、物価高上回る所得増へ
12月21日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、来年度の所得に関するニュースについて意見を交わした。
藤井氏「将来の賃下げ分を前借りしたというだけですから」
内閣府は2024年度に物価高を上回り、所得が増えるという予測をまとめた。賃上げに定額減税の効果が加わることで、1人当たりの所得が23年度に比べて3.8%増え、2%台半ばと見込まれるインフレ率を超すという。
寺島アナ「この予測が『物価高上回る所得増へ』というタイトルで出てるんですが、これは藤井さん、どうご覧になりますか?」
藤井氏「うーん……減税を行って、所得税を4万円ですか? その分で所得がちょこっと上がるから『デフレ脱却』だと。まぁ、それでもいいんですけど……賃金が自然に上がっていったときにデフレ脱却っていうわけですから、これが継続する保証は全くないですよね。だって、次にまた増税になるわけですから、4万円分。そしたらその分、実質賃金また下がりますからね。名目賃金が4万下がるので、将来の賃下げ分を前借りしたというだけですから」
寺島アナ「これが続けばいいですけど、続く確証ないですもんね」
藤井氏「十分な減税をやれば所得が上がって消費と投資が活性化するから、自然に賃金が上がるという局面を迎えるわけですよ。それを『デフレ脱却』と我々は呼んでいるわけで、この減税による数字マジックによるデフレ脱却って、『デフレ脱却違うし、お前』っていうことですね」
寺島アナ「結果的に一回こっきりになるだけなんじゃないの?っていうふうに我々は見てしまいますよね。岸田総理から『目標に向かって、目標を達成するまではずっと減税し続けます』とか、そういうのがあれば話は別ですけどね」
藤井氏「しかも、税収の上振れ分を一部還元するから、こうなるんでしょ?ってことは、税収の上振れ分はこれまであったやつをポッケナイナイしとったってことですよね? だからネコババ分を減らしたから、その分僕ら賃金上がって『喜べ』って言われたって、『お前がネコババしとんのやろ!』っていう話なんですよ」
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