中国不動産バブルが崩壊した場合 世界情勢を悪化させるシナリオ

中国不動産バブルが崩壊した場合 世界情勢を悪化させるシナリオ

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12月19日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、中国で不動産バブル崩壊など金融危機が起きた場合の経済見通しについて意見を交わした。

今日明日で解決する問題ではない!

日本経済研究センターは、中国で不動産価格の急落に伴うバブル崩壊など金融危機が起きた場合の経済見通しを発表した。物価変動を加味した実質で1%台の低成長が定着し、「2035年までの名目GDP倍増」という長期目標の実現が厳しくなる。

中国経済、不動産不況が2年を超えた。中国政府は不動産企業への資金支援を強化する方針ではあるが、金融システムに過大な負担になりかねないと言われている。

「これは田中さん、どうご覧になりますか?」(寺島アナ)

「不動産市場が一旦萎縮して、金融面にも大きな影響を与えたと。これは日本のバブル経済崩壊とほぼ同じですよね。そうなるとリカバリーに時間がかかる」(田中氏)

田中氏は、日本のバブル崩壊のときの政策と経済の動きと比較する。

「日本のバブルが崩壊して見かけが良くなるまで5年くらいかかったんですよ。1995年に一段落ついたんで、金融緩和をやめて財政支援もやめて、政策を緊縮よりにしたことで1997年に経済は大崩壊しちゃったわけですよ。不動産市場と金融システムが一旦おかしくなると、経済にとっては深いダメージを抱えることになります。中国も、今日明日に解決する問題ではないと思います」(田中氏)

中国の習近平指導部は、2035年までに名目GDPを倍にして、一人当たりの名目GDPを中程度の先進国並みに引き上げる長期目標を掲げている。中国で不動産価格の急落に伴うバブル崩壊など金融危機が起きた場合、その目標実現が厳しくなり、さらに中国経済の失速によって他の国の成長も鈍る。

「日米韓など、海外の経済成長も押し下げることになるわけですが、こうした悪影響を田中さんはどうご覧になりますか?」(寺島アナ)

「現状、中国経済は悪いので世界経済の足を引っ張るのはシナリオに入っちゃってますよね。今の雰囲気でこれ以上悪化するのは無いと思いますけどね。中国の共産党がそこまで愚かではないと思いますけど、でも愚かかもしれない……? 『共同富裕』路線で富裕層を懲らしめる露骨なことは流石にやらないと思いますが」(田中氏)

田中氏は、中国経済崩壊と世界情勢への影響を考える。

「今は不動産市場を立て直して金融システムを維持することを救急としているので、中国よりもアメリカの経済が本当に失速し始めたときに金融緩和が遅れる可能性があると思います。あとは中東の政治情勢の不安定化。ウクライナがアメリカやEUから資金援助を得られないことで、ウクライナが事実上敗戦となる可能性が一部で言われています。そういった世界情勢の不安定度の方が心配です」(田中氏)

 


「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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