「国境なき医師団」メンバーが語るガザ現状 10月7日から「日々空爆」!日常が目の前で崩れた

「国境なき医師団」メンバーが語るガザ現状 10月7日から「日々空爆」!日常が目の前で崩れた

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国境なき医師団の人事マネージャーとしてガザに赴任し、イスラエル軍による攻撃の激化を受けて、先月日本に帰国した白根麻衣子さんが、12月11日の大竹まことゴールデンラジオに登場。自身が見てきたガザの状況を聞いた。

 

大竹「白根さんは2018年から2019年にかけて初めてガザに行き、一旦戻ってきてまたガザに行ったんですね。」

白根「今年の5月、ガザに2度目の派遣をされました。」

大竹「まず初めてガザを訪問された時は、どんな状況で、どんなお仕事をしたんですか?」

白根「私が2018年、19年にガザに派遣された時も人事財務のマネージャーということで、現地スタッフの採用ですとか、お金の管理を担当していて、現地スタッフと一緒に国境なき師団の一員として働いていました。その時もガザは『天井のない監獄』と言われているので、インフラの設備であったり、物資や人の移動が制限されている状況だったんですが、そんな中でも空爆等がないと、一般の人々は学校に行って仕事をして家族と一緒に平穏な時間を過ごしたり、休日にはカフェやレストランもたくさんあって、とてもにぎやかな町なので、本当に普通の日常を過ごしていました。皆さんはテレビ等で見ていて、空爆ですべてが破壊されているイメージだと思うんですが、10月7日の爆撃前は私たちと変わりのない平穏な日々を送っていたんですね。」

大竹「一旦お帰りになって、また今年の5月から行ったそうですが、ガザはどんな風に変わってたんですか?」

白根「5月に赴任した時は、今言ったように貧しいながらも平穏な日々を送っていたので、休みの日には現地のスタッフと一緒にお茶をしに行ったり、チームのみんなでバレーボールをしたり、楽しい生活をしていました。ただ10月7日、今ニュースになっているイスラエルとハマスの紛争が始まってからは日々空爆。昼夜、絶え間なく空爆の音が聞こえました。空爆は私たちの住んでいた場所の近くでも起きたので、夜寝ていて爆音で目が覚めたり、避難中は地下室にずっと居たんですが、ビルが揺れたりガラスが割れる音が聞こえました。」

大竹「いらっしゃった場所からどのぐらい近くに砲弾が落ちたりしてたんですか?」

白根「北部にいたときは道路をはさんだ20mほど先のビルが破壊されて、その時は地下室にいたので朝になって窓の外を見ると、もう今まで私たちが知っていた近所の風景ではなくて、ビルが倒壊していました。」

大竹「その状況の中でも医療活動は続いていた?」

白根「はい。私たち国際スタッフは20名ほどいたんですが、やはりセキュリティ上、私たちは医療活動ができなくて、避難生活が続いていました。ただ現地で働いているパレスチナ人スタッフは家族を置いで私たちの病院や診療所に出向いて、怪我人の治療であったり、病人の手当に当たっていました。」

大竹「そこで収まると思ったら、状況はますますひどくなっていく。」

白根「そうですね。ガザはもともと長い期間、紛争に苦しめられている地区だったので、2019年に私が派遣された時も、2日間の空爆は体験したことがありました。なので始めはそのぐらいで収まるのかなと思っていたんですが、10月7日以降は空爆が3日4日たっても収まらず、1週間経った時には、北部にあった私たちの宿から南部へ避難してしなくてはならないという厳しい状況が続いて、これまでの紛争や空爆とはまったく違った経験でした。」

大竹「すごかった?」

白根「本当にすごくて、やはり私はこの平和な日本で生まれ育って、戦争ってどこかすごく遠くの存在で、祖父母から聞く話しかなかったんですが、戦争を目の当たりにすると、本当に尊い命が奪われていく。当たり前だった日常が、本当に目の前で崩れていくっていうのを体感しました。」

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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