大沢在昌、発売予定の新刊『予幻』、伊集院静とのエピソードを語る
12月6日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーに作家の大沢在昌さんが出演した。12月15日発売の新刊『予幻』について、また故・伊集院静さんとのエピソードなどを語った。
大竹まこと「(発売前なので、ゲラの状態で『予幻』を読んで)やっぱりハナ(冒頭)から、スゴいなと思ったよ。途中から『これでいくのかな』と予想すると、また違う話が出てきて」
大沢在昌「書いているほうも取っ散らかっていますからね(笑)」
壇蜜「展開がすごかった!」
大竹「自分で登場人物、わかっている?」
大沢「わかるようにメモはしています(笑)。名前のリストを作って。見れば何やっているやつかわかるので」
大沢、大竹の両名でゴルフの話でも盛り上がったあと、ともに交友の深かった作家仲間、伊集院静さんのことにも触れた。
大竹「ゴルフといえば伊集院静さんもゴルフを好きでいらっしゃって」
大沢「あの人は本当に記憶力がすごくて。何十年も前に回ったコースの、一緒にいた人が何番ホールでどんな球を打った、とかも全部憶えている。なんか、画像で憶えているらしいんですよ。あるとき、サイン会に10年前に来ただけの人の名前を見て『10年前、富山のサイン会で会いましたね』って。お客さんが感動して泣いちゃっているのを見たことあります」
壇蜜「それはビックリしますわ」
大沢「伊集院さんとたぶん最後にゴルフをやったのが私で。成田のコースで、9月の終わりかな。8、9月でものすごく痩せられてしまって。『大丈夫ですか?』って聞いたら『モノが食えない。食欲が湧かなくてさ』なんて言っていて。そんなレベルじゃなかった。20キロ以上痩せられていたから。その日は結局、ハーフだけやって『悪い。大沢、上がるわ』と言って帰って。そうこうするうち、10月に入って早い段階で入院されたと」
大竹「うん……」
大沢「癌だというのが伝わってきて。強い人ですから、なんとか今年いっぱい生きて、年明けにどうなるか、みたいな情報が入ってくるかと思っていたんですけど……。こんなに早く亡くなるとは思わなくて、ビックリでした」
大竹「このお二人(大沢さん、伊集院さん)と付き合わせていただいてきたけど、日に日に、ボディブローみたいに(伊集院さんのことが)効いてくるね」
大沢「僕、初めて伊集院さんと会ったのが1991年ですから、32年前。お互いに初めてもらった文学賞(吉川英治新人文学賞)が同時受賞で。そのとき記者会見があるから来てくれ、と言われて行ったら、伊集院さんがまだ来ていなくて、テレビカメラがズラッと並んでいた。スゴいな、伊集院静の受賞だからか。俺もテレビに映っちゃおうかな、なんて思っていたら、伊集院さんが来る前に、行方不明だった若人あきらが見つかったっていうから、カメラがみんな引き上げちゃって。うわ、現金だな、と思って」
壇蜜「なんてタイミング!」
大沢「伊集院さんが来たら、本人は意外でもなさそうで『そうなの?』って。それで話していて、僕、ずっと本が売れなかったから永久初版作家なんて言われるんですよ、なんて言ったら、『すごいじゃない。僕は競輪やるんだけど、A級、B級というのがあってね。A級って初版が多いんでしょう?』って。そっちのエイキュウじゃなくてフォーエバーの永久ですよ、と言ったら『重版しない本なんてあるの?』って返されて。感じ悪いな、この人(笑)、 と。そこからの付き合いでした」
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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