いい本に出会いたいなら、装丁を見るのが近道!?
11月8日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーに、エッセイストの酒井順子さんが登場した。ここ10年の週刊文春での連載『私の読書日記』から抜粋した1冊、『本棚には裏がある』が現在話題だ。本の感想などを綴った連載で、どのように本を選び、読んでいるのか、本人が語った。
大竹まこと「『本棚には裏がある』というタイトルですけど、これは?」
酒井順子「私の仕事部屋って一面、本棚が壁になっていて、本当に“裏がある”んですよ。本棚の幅が長いので、表面に見える本棚の裏側に秘密の本棚がある。見つかりたくない本とかはそこに置いています」
大竹「裏の本棚に別の本が置いてある、と(笑)」
酒井「エッセイで気取ったことも書いていますけど、じゃあ私がこういうふうに読んでいるかとなると、読み方は様々です。読み方にも裏があるという感じを出したかったなと」
大竹「読み方にも裏が! 自分で読みたい本もあるでしょうけど、これを書かなくちゃいけない、というものも?」
酒井「連載は『この本について書いてください』と言われるのではなく、自分で全部選ぶんですよ。やっぱり『ものすごくおもしろかった!』という本が月に3冊も4冊もない、ということもある。この本で取り上げているものは本当におもしろいんですけど。1回の原稿に書く3冊か4冊が、なんとなくつながっているといいなと思っているんですね」
大竹「なるほど」
酒井「つながって、いまという時代を表しているとか、ひとつのテーマについてすべて触れられていく、とか。そういうふうにも思っているので、つながりがある本を見つけるまでも大変です」
多数の本を読んでいる酒井さんが、いい本の傾向についても語った。
大竹「おもしろい本はやっぱり、とっかかりから引き込まれますか? それとも最初は大したことないと思っても、途中から盛り上がってくる?」
酒井「そういう本もありますね。最初からおもしろいものも多いんですけど。人と一緒で、初対面の印象がよくて最後までいい、という本もあれば、最初は取っつきにくいな、と思っても、読み進めるうちに引き込まれる、という本も。反対に、最初の印象はすごくいいのに、付き合ってみたら、あれ? みたいなこともある。本も第一印象では決まらないことがあります。あと装丁がいい本はおもしろいことが多い気がします」
大竹「ああ、そう!?」
酒井「装丁だけがいい、という本はあまりない気がします」
大竹「棚にあるとき、手にとるほどいい装丁、というか」
水谷加奈「ジャケ買い、みたいな」
酒井「はい。おもしろい確率も高い気がします。装丁家の方、編集者の方も『この本は!』と思ったら、力を込めて装丁されると思うんですよ」
大竹「そうか、なるほど。本も見た目で選べるんだ」
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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