村上信五くんと経済クン　鹿と経済の密接な関係とは？

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【「レストラン・マノワ」オーナー　中村豪志さん】

1979年生まれ。山梨県出身。幼少期から、山小屋を営む父親に連れられ、春は山菜採り、夏はイワナ釣り、秋はキノコ狩りへ。冬には鹿やイノシシなどのハンティングにも同行していた。高校卒業後は、辻調理学校・フランス校に進学。帰国後、有名フランス料理店のサービスとソムリエを兼務。2011年「レストラン・マノワ」のオープンと共にオーナーとなる。オーナーであり、ソムリエでもあり、そしてハンターでもある中村さんに、今取り組もうとしている日本の食生活を変えるかもしれないプロジェクトについて伺った。

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【鳥獣による農作物の被害】

１年でおよそ158億円といわれている。しかしこれはあくまで被害の一部。農作物を作っても食べられてしまうので、農家の人の意欲がなくなり放棄される耕作地が増える。鹿は食べ物がなくなると木の皮を食べる。そうすると森林被害にもつながる。このように、数字以上に多大な被害が出ている。

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【１年間で捕獲される鹿の数】

62万頭。ただこれだけ捕獲しても追いついていない。

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【鹿一頭駆除すると、いくらぐらいもらえる？】

地方自治体によっても違うが、１頭で１万5000円くらいもらえる。ちなみに、捕獲の証明は、写真と耳やしっぽなどの部位が必要。

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【中村さんが考えたビッグプロジェクトとは？】

北海道の函館近くに森町という町がある。そこに自社で2400坪の土地を取得し、その土地を使ってジビエの解体処理場と食肉製品の製造工場を作ろうと計画している。解体の仕方によってジビエの味は大きく左右される。仕留めてから１時間以内に解体しないと美味しくない。もともと中村さんは「ジビエを使ってみんなが幸せになれる環境を作りたい」と思っていたので、森町で実施することにした。

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【このプロジェクトによって何が変わる？】

①ジビエの廃棄処理の軽減

②ハンターへの報酬の確保と人材不足の解消（マノワでジビエを買い取る）

③害獣被害多発地帯での被害軽減および森林の保護

④地方自治体での雇用創出

→ジビエを一般大衆食にしていきたい。

給食やスーパーに流すことで、食べてもらえる人口を増やしたい。

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【いつまでに実現？】

今年の冬までには森町の工場を作りたい。そのためにクラウドファンディングも行っている。そういった活動を通して、多くの人にこのプロジェクトを知ってもらいたい。工場ができれば、森町で加工されたものが北海道だけでなく、遠方にも届けられる。

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【ふるさと納税の取り組みも！】

全国の６つの自治体と協力し、各土地でとれたジビエをマノワで買い取って加工し、それを返礼品とする取り組みをすでに実施している。

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捨てられてしまう命を循環させたい！という中村さんの強い想いが伝わってきた講義でした。ひとつ大きなシステムを構築できれば、色々な問題が解決する可能性があるんですね…。大きなプロジェクトに取り組まれている中村さん、これからも応援しています！中村さんのお店で、鹿肉食べてみたいなぁ…！

坂口愛美