運動不足解消！ チョコザップが一年で日本一になった理由3選

• 高速大量出店

チョコザップは直近では毎日3～4店舗のペースで出店している。急拡大する会社は統制が効かなくなり逆に倒産してしまうこともあるが、直営店の利点を生かしつつ欠点を抑える出店の戦略で急拡大を可能にしている。

チョコザップは全店舗直営店で運営されている。直営店は店舗管理の機動性が高く収益性が高いことが利点だが出店費用、運営費用、撤退費用が大きくなることが欠点とされている。

まず、出店費用は壁や床材等の直接調達やフィットネスマシンの一括注文、自社開発を通して費用を削減している。運営費用は無人店舗のため人件費がかからないことや集客は営業マンなどを使わずに広告宣伝費のみで行い、広告の発注は一か月から二か月先までに限定し、運営費用を調節できる構造になっている。

撤退費用に関しては、店舗の途中解約や早期撤退の違約金の排除をした契約をして撤退費用を抑えている。このように直営店の利点を生かしつつ欠点を抑える戦略が高速大量出店に繋がっている。

• 膨大なデータ分析による科学的マーケティング

サービス開始から一年でチラシによる検証（500種類以上）バナー広告による検証（4,000種類以上）LP（ランディングページ）による検証（200種類以上）と様々な広告の検証をしている。

同じ脱毛マシンが使い放題なことを押し出している広告でも、女性向けの広告では毛がない女性のイラストを中心に月額が書いている一方、男性向けの広告では綺麗な男性の手の写真を中心に「男の指毛要らなくない？」と大きく書かれている広告が作られている。

ターゲット層ごとにどのような広告が効果を発揮するのか検証を繰り返し、科学的マーケティングを実践している。これには無人化による人件費の削減が関係している。一般的なジムと比べチョコザップは人件費が十分の一となっている。この浮いた費用を広告宣伝費に回すことでき、膨大な量の広告を実現することができた。

• 初心者の心理的ハードルが非常に低い。

チョコザップは運動初心者や女性などをターゲットとし、筋トレ上級者はターゲットから除外をした。これはダンベルやベンチプレスなど筋トレ上級者向けのマシンが設置されていないことや、服装は自由でスーツや革靴のまま筋トレができる環境を作り出した。

筋トレ上級者が本気でトレーニングをしている場面が無いので、初心者の心理的ハードル抑えることに貢献した。SNSでは「みんな意志が弱そうでとても心強い」などの発言が大量に拡散されている。

まとめ
チョコザップの急成長の背後には緻密な戦略と革新的なアプローチが垣間見える。高速な大量出店戦略において、直営店の柔軟性を最大限に活かすと同時に、出店費用や運営費用を効果的に管理することに成功した。

科学的マーケティングでは、データを駆使して異なるターゲット層へのアプローチを微調整し、広告効果を最大化。また、初心者向けの低い心理的ハードルの設定は、新規会員の獲得に貢献を果たした。この組み合わせにより、チョコザップは急成長を果たし、日本のフィットネス業界でトップの会員数を獲得した。

そんなチョコザップの成功要因について経営学者・入山章栄により語られている「フィットネスジムの新潮流」はPodcastやYouTubeを是非お聞きください！

様々なキーワードを基に経営学者・入山章栄さんが様々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」は毎週月曜日 19:00～20:00放送中。

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