元ラグビー代表選手が日本のスポーツ界に物申す!いまだに軍国主義的な上下関係がある?
元ラグビー日本代表で現在は神戸親和大学で教授を務め、新著「スポーツ3.0」が発売中の平尾剛さんが10月27日の大竹まことゴールデンラジオに出演。昨今のスポーツの問題についてお話を伺った。
大竹「ラグビーワールドカップが盛り上がったようですが、しかし平尾さんは今のスポーツはもはやスポーツの体をなしていないと苦言を呈されていらっしゃいます。どんなところが問題なのでしょうか?」
平尾「なんかスポーツって、純粋に楽しめなくなったなと思うきっかけがあって、それは2021年の東京オリンピックでした。世論が開催に反対しているにも関わらず、開催ありきで突き進んでしまって、社会に分断をもたらしてるんじゃないかと。それに関してスポーツ界からは何も声が上がらず、なし崩し的に開催し閉幕し、という流れの中で、僕の周りではスポーツにから離れていく人がすごく多かったんですね。当然アスリートの活躍は見てて感動もするし、勇気をもらうっていう人もいるんでしょうけども、当時の社会状況を考えると、それどころじゃなかったですよね。」
大竹・室井「そうですね。」
平尾「コロナが流行っていて、そういう中で改めてスポーツの社会的な価値、あるいは文化的な価値というものがどんどん損なわれてしまっているんじゃないかと。スポーツは昔、万人に開かれ、健康を維持するためのものであったり、10代の子供たちが成長するための一つのツールとしてずっと行われてきたのに、なんかプロスポーツがすごく肥大しているなと、そんなふうに僕は見ています。」
大竹「今のコマーシャリズムと一緒になって、盛り上がっているんだか、盛り上げまくっているんだか、ちょっと分からないところがありますね。この五輪ではたしか、山口香さんが反対なさって、平尾さんと2人が異を唱えていたと聞いています。コロナのときに新国立競技場が出来て、ちょっと違和感があったのは、客席をいろんな色にして、たくさん人が入っているように見せてるのは一体どんな演出なんだろうって、疑問でした。」
平尾「あれは結局、放映権料が莫大になって、テレビ映りと言いますか、それを意識した上での配慮だと思いますけど、スポーツの主体は一体誰なんでしょう。スローガンとして『アスリートファースト』と言ってますけど、それは当然で、あえてスローガンにしてしまうところに何か裏の意図があるんじゃないかと思ってしまうんですけど、主催者側あるいはスポンサーが、こう言っていいと思うんですけど、お金儲けの為にスポーツを利用しているといいますか消費しているというふうに僕は見ています。」
室井「平尾さん、すごい尊敬します。スポーツ選手って仕事柄たくさん有名な方に会ってきたんですけど、今スポーツがどうなっているのかを語ってくれる人って、あんまりいなかったと思うんですね。山口さんと平尾さんくらいだったし、だからなんかちょっと感動します。スポーツがすごくお好きなんですよね。」
平尾「僕はもうずっと19年ラグビーやってきましたし、スポーツが今の自分を形作ってくれたと思ってますし、大好きです。だから守りたいと思うんですよね。スポーツってやっぱり健やかで、成長を流して、いいものだよっていうことを、子供たちにきちんと手渡さなきゃいけないなというふうに思っています。」
室井「アスリートファーストだったら、今商業的になりすぎだとか、もうちょっと選手たちの声が上がってもいいかなと思うんですけど。」
平尾「それがなんでかなって、ずっと考えてるんですけど、やっぱりいまだに過度な上下関係っていうのがスポーツ界の中にはあって、それこそ軍国主義的なって言っていいと思うんですけど。上の言うことには逆らえない。ずっとスポーツ界の中に生きていると、かつての先輩が。協会の偉いさんになったりとかですね、ずっとその上下関係が続いてきていると思うんです。だからなかなか自分の意見っていうものを言いにくいような、風土といいますか、空気っていうのがあって、それで言えないっていうのが一つあると思います。」
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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