所得税減税は「もっと戻せ」と言わなきゃいけない!専門家が指摘する納税者分断の狙いとは?
10月27日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)は、金曜コメンテーターで郵便学者の内藤陽介さんと番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、所得税減税について意見を交わした。
4万円減税しても戻しの幅は全然足りない
岸田総理は官邸で開いた政府与党政策懇談会で、1人当たり計4万円の「定額減税」を来年6月から実施する方針を示した。住民税が課税されない低所得世帯には7万円を給付する。給付は、先行して年内に実施する方針。この減税と給付による還元策などを盛り込んだ経済対策を11月2日に閣議決定することも明らかにした。定額4万円の所得減税では、所得税を1人あたり3万円、住民税を1万円減税する。本人に加えて、扶養家族一人につき同額の減税を行う方針。また住民税非課税の低所得世帯向けの1世帯あたり7万円給付は年内に開始する方針だ。
「岸田総理が表明した税収増に伴う還元策ですが、内藤さんはどう見ていますか?」(寺島アナ)
「1人当たり4万円還元すると全体では2兆円の税金を戻すということなんですが、2020年をベースに考えると、21年は2兆2000億円弱の増収なんですね。22年は3兆3318億円増えてるんですよ。そうすると5兆円増えてるわけです。ところが4万円戻しても全体では2兆円の戻しにしかならない。だから戻しの幅が全然足りないですよね。それから、私は本当に住民税非課税世帯の支援はあっていいと思うんですが、わざわざ「非課税世帯に7万円給付」っていう言い方をすると、普通の納税者はどう思うかというと「非課税のやつは優遇されてるんじゃないか」と。多分こういう感情を煽るわけですよね。自分たちに「もっと戻せ」という話じゃなくて、「非課税けしからん」という形で納税者の分断を図っているわけです。だからそうじゃなくて、もっと戻せと言わなきゃいけない。」(内藤氏)
「そうですね、還元と言ってるんですから。」(寺島アナ)
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